【鬼滅の刃】視界がうるさい。

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｢そいつは誰だ？｣

『こんなガキの言うことアテにしていいんですか？』

｢手がかり0なんだよ、とりあえず言え｣





なんつー俺様だよ！

なんて本音はもちろん言わずに、周りを見て他の店員さんが近くにいないのを確認してから小声で伝えた。





『厨房で団子を大量生産中の氷室さんって人です』

｢どんな人だ？｣

『人って言うか……なんだろ、見た目人だけど実は化け物的な？20代のオバ……お姉さんですね！』

｢見たことねぇな｣

『ずっと厨房にいますからね……。なんか早く喰べたいって言われました』

｢はァァ！？！？｣

『うるっ、ンン゛！！』





あっぶな！！！

お兄様にうるっせぇな！？って言うところだった。よく耐えた自分。

小声で会話してたのにいきなり耳元で声を大きくするやつがあるか！鼓膜破れるわ！！





｢つーかお前手ぇどうしたんだよ｣





包帯を巻いた私の左手を指差す派手なお兄様。

それに『あー……』と歯切れの悪い言葉を返す。

うん……なんて言おうか。





『……皿が刺さったらしいです？』

｢やけに他人事みたいに言うな？｣

『いやほんとに皿が刺さったららしいので……』





化け物にぶっ刺されたんだよ！！！と言ってやりたいのは山々だが、信用してない、されてない人に、非現実的なこと言っても信じてくれる訳がない。

まあ信じてもらおうとも思ってないけどな。

そう判断した私は適当に流してから『そういえば』と言葉を紡いだ。





『派手なお兄様……マレチって何か知ってます？』





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