ブラック本丸の彼らと私の物語 (ページ7)

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今回は、彼の破片を包んだ紙も渡してるからきっと堀川国広を鍛刀してくれるはず。じゃなきゃ、彼以外の刀剣に彼の記憶が蘇ることになってしまうからね。姿は鶴丸国永なのに中身は堀川国広、みたいなおかしいことになっちゃう。それはそれで面白そうでもあるけど。

鍛刀されるまで時間を待つ。

妖精さんから渡された刀剣は堀川国広に間違いない。後は魂写が上手くいっているかどうかの問題。

彼の本体に霊力を少しばかり流し顕現させる。ぶわっ、と桜が舞って現れた堀川国広。

「すみませーん。こっちに兼さん……和泉守兼定は来てませんか？あっ、僕は堀川国広です。よろしく」

「……」

ダメだったか？と彼をじっと見ていれば、表情が悲しげに変わりまた口を開いた。

「……主さん、変わったんですね」

「っ、貴方は堀川国広ね？」

バラバラになった破片を見ながら言えば頷いた。

「新しく任命された審神者です。ごめんなさい、勝手なエゴで魂写したの。嫌な記憶も多いと思うし、戻ってきたくなかったかもしれない。けど、私は貴方の記憶の堀川国広が必要だと思ったんです」

「……僕は、」

何かを言おうとした彼の言葉を聞き逃すことなく聴こうとしたその時、視界が暗転した。

「主さん！？」

ドサッ、とその場に上体が倒れる。霊力の使いすぎかな、まだ意識はあるのに視界は暗くて身体も重たい。ただ聴覚だけはしっかりしてて、走ってくる足音が複数聞こえる。そして、ガラッ、と扉が開けられる。

「っ、堀川！？」

「こりゃあ、驚いた！！伽羅坊だけでなく、堀川もいるとは！」

「えっ！？一体どういうこと！？」

「主さんが急に倒れたんだ！」

「……あれだけ霊力つかったんだ、倒れてもおかしくない」

「え？どういうこと？伽羅ちゃん」

山姥切国広に、鶴丸国永、燭台切光忠に、大倶利伽羅の4振りが来たらしい。ちゃんと会話だって聞こえてる、でも身体は重いし、言葉を発せない。まるで喉に詰まってるみたいに。

「後で説明する。先に審神者を布団に寝かしてやらないとなだろう」

大倶利伽羅の言葉に動き出す5振り。
身体が浮く感覚がしてすぐ降ろされた。布団の上に移動させてくれたんだろう。多分、大倶利伽羅だと思う。

布団の暖かと心地良さにさすがに耐えきれず意識を手放した。