ブラック本丸の彼らと私の物語 (ページ4)

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少し休んでから、ちゃんと本丸の掃除とか畑とかやろうかなーって思いながら歩いていると、何だか不穏な霊力を感じる。

庭にある木の陰に隠れた場所に倉庫らしきものが見えた。中に誰かいる？

誰かに呼ばれてるかのようにその倉庫の前に行き、扉に触れる。

バチッ、と音を立てて私の手を弾いた。

「いっ、た……霊力？前の審神者の仕業？」

「主様？どうかされましたか？」

「え？ここに倉庫みたいなのがあるでしょ？」

「倉庫、ですか？」

ハテナを浮かべるこんのすけに私も困惑する。どういうこと？こんのすけには見えてないの？

とりあえず、その扉を開けようと私の霊力で弾こうとする霊力を打ち消した。霊力のコントロールって難しいから、下手したら注ぎすぎで爆発する可能性もあるから、すっごい緊張したけど何とか上手くいった。

私の霊力で打ち消したとき、こんのすけは驚いた声を出した。どうやら見えるようになったらしい。やっぱりこんのすけには見えないようになってたらしい。
どんな仕掛けになってるのか分からないけど、扉の裏側には御札が貼ってあったから多分それが原因だろう。
こんのすけとかには見えないように前の審神者が仕掛けたもの。

中は薄暗くて見えにくいが、そこには鞘のまま刀が二振り。一振りは綺麗だが、もう一振りはボロボロで今にも折れそうだった。

そして、折れてしまっている刀が一振り。

「一期一振、大倶利伽羅……それと、堀川国広」

今にも折れそうになっているのは大倶利伽羅で、折れてしまっているのは堀川国広。綺麗なまま顕現がされていないのが一期一振。

「とりあえず大倶利伽羅を手入しないと」

少し動かすだけで折れてしまいそうで手が震える。手入れ部屋でちゃんと手入れするのが本当は1番いいけど、応急措置として直接、私の霊力を流し込んでそれから運ぶ方が安全だと判断した。

手入れというのは基本、手入れ部屋でするものだからね。霊力が高い審神者は直接霊力を流し込んで手入れすることが多いとも聞くけど、あれは少し間違えれば霊力を与えすぎてしまったり、刀剣男士との霊力と反発してお互いにか怪我をおってしまう可能性もある。それに、なにより審神者の霊力を彼たちに流し込めば流し込むほど、彼らは審神者に逆らえなくなる。言霊が効きやすくなるからね。
彼らの自由を奪うのと同じ、っていっても審神者の元に彼らを顕現させてる時点で、彼らの自由を奪ってるようなものなんだろうけど。