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「こんのすけ、ここ？」
「はい、ここです！」
突然、任せられたブラック本丸の回生。まだ3年目のひよっこ審神者の私に任せるなんてどうかしてるでしょ、って思ったけど頼まれちゃあ仕方ない。私の腕を見せてやろうじゃないか。
って思ってきたんだけどね、思ったより空気が悪すぎる。どんよりしすぎじゃない？
「これ扉開けた瞬間、刀飛んできたりしない？」
「大丈夫です！……多分」
多分かよ！！
ヒヤヒヤしながら、そっー、と扉を開けると刀は飛んでこなかったもののすぐ目の前に誰かが居て驚きすぎて声が出た。
「うわぁ！？！？！？」
「……」
「す、すみません。びっくりして……」
目の前にいたのは初期刀組の山姥切国広。金髪に綺麗な翡翠の目。
「俺たちに審神者はいらない」
そういう彼も手入がされていないのか血で染っている。重傷に近い傷だ。
「あのせめて手入だけでも……」
「必要ない。人間にやってもらわなくていい」
だったら、ほかに誰がやるんだよ。って言いたくなったけど我慢した。切られそうだから。
仕方ない、ここは強行突破しよう。
「すみません、失礼します」
「主様！？」
無理やり扉の中に入ると、彼が刀を抜いた。だけど、私に刀が来る前に、爪先で3回地面を叩き、目を閉じて地に霊力を流すイメージを頭に浮かべた。
そうすれば、身体から何かが抜けていくような感覚に襲われ、しばらくそのままの時間が過ぎる。
流石に一気に全部をやるのは危ない。力が抜け切る前に止めた。
「っ、と危な」
ふらつく足を何とか持ちこたえる。すぐそばに居た彼はなんとも言えない困惑した表情で私を見ている。
さっきとは違ってきれいな状態で。
「多分、全員のは手入出来てないので、確認して順番にしていきますね。まずは居間に行った方がいいかな」
勝手に話を進めて、勝手に進む。強行突破が1番だ。
さっきとは全く打って変わって空気も綺麗になったし、庭や本丸自体も綺麗になった。まだ完璧とは言えないけど、1回でここまで、出来たんだから上出来でしょ。
「相変わらず、主様は恐ろしい程の霊力をお持ちですね……しかもあれだけの霊力を流しておいて倒れないなんて」
こんのすけが若干引いた様子で言ってくるがスルー。
どんどん進み、居間の襖を開ければ、殺気と困惑が混じった視線が、一気に私に集まる。
ちなみに後ろには、山姥切国広がいる。刀は抜かれてないから、切られる心配は無さそう。
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作者名：さき | 作成日時：2022年4月11日 20時
