88話 来世再開 ページ48
おそ松side
テレビのニュースがきになった俺達は、徒歩で赤塚病院へ向かっていた。
数年前、俺とチョロ松が魂だけ妖界に連れ去られた時に運び込まれた病院だ。
何かの縁があるように思えて仕方なかった。
病院がやっとこさ見えてきた時、前から二人の人が歩いてくるのが目に入った。
流石に六人一列で並ぶのは邪魔である。
さっと避けようとした時、隣を歩いていたチョロ松の足が止まった。
お「チョロ松?」
チ「う、羽実果ちゃん?」
もう一度前を見ると、さっきの二人がすぐそこまで来ていた。
顔を見れば見覚えのある二人。
相手もこちらに気づいたようで、目を丸くしてこちらを見ている。
羽実果(?)「え、あ、あれ?チョロ松?」
戸惑った声は間違いなく羽実果のものだった。
見たところ二人の年齢は出会ったあの頃と全く変わらない。
おかしい気がした。
お「え、おま、え、何で?」
語彙力が低下するとはこのことを言うのだろう。
もっと言うべきことはあったはずなのに出たのは何でという三文字の言葉だけ。
狐優紀「実は、私達、転生したあと何故か妖界で生まれちゃったらしくて……妖怪神がそれを見つけてね、しばらく保護してくれて…まぁ、体は人間で妖力は全くないけど」
一「え、永久追放されたのに?」
羽実果「いやぁ、偶然ってのは恐ろしいね〜」
そんな呑気な感じでいいのだろうか。
ト「え、でもその成長速度はなんかおかしいんじゃ…てか何で転生前の記憶があんの?」
狐優紀「妖界で十七年間、つまり、人界でいう約一年八ヶ月を過ごしたら十七歳の体にまで成長したんだよ…」
羽実果「転生前の記憶があるのはそこの赤色さんの約束のせいだろうね」
そういや俺忘れんなとか言ったような。
十「じゃあ二人共これからどうするの?」
そう!それ!一番気になってたのそれ!聞いた話、人界に二人の両親はいない。=家ない。
羽実果「ハッハッハー……いや、本当どうするよ」
狐優紀「そうだねぇ、病院出てきちゃったし」
心底困ったように肩をすくめる二人、気がつくと俺は口を開いていた。
お「家くれば?まだ部屋あの時のままにしてあるよ」
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:スノーローズ | 作成日時:2017年7月16日 20時