83話 綺麗な二人 ページ43
チョロ松side
狐優紀「何で…」
お「なんでって来たかったから?」
来たかった、なんてそんな簡単に片付けられないくらいに色んな感情が溢れる。
どうして2人が転生させられなきゃいけないのだろう。
悪いことなんかしてないよ。
狐優紀「チョロ松?」
チ「何で2人が転生させられなきゃいけないの?悪いことなんか一つもしてないじゃん」
僕がそう言うと、苦笑いする二人。
どうして、笑ってるの?
羽実果「それが掟だから、私達は従うまでだよ」
なんでそんな従順なの。
嫌だよそんなの。
二人が消えたら、僕たちには何も残らないじゃないか。
狐優紀「……わかってる、皆が納得いかない事、ちゃんとわかってるから」
ト「じゃあ何でよ!!」
羽実果「…じゃあ、逆に聞くけどなんで私達は転生しちゃいけないの?」
いつもより少しきつい口調で聞いてきた羽実果ちゃんの目は真剣な気を宿していて、予想外の言葉に僕達は固まるしかない。
狐優紀「ね?私達が転生させた妖怪の周りにも皆みたいに転生させて欲しくないって、願っていた妖怪もいたかも知れない…私達だけその抜を受けないわけには行かないよ」
そんなことしたら贔屓になってしまうからね。
という狐優紀ちゃんはいつも以上に明るく、優しい笑顔をしていた。
羽実果「……さよならは言わないよ、だってまた会えるかもしれないしね」
狐優紀「まぁ、異例中の異例らしいからね、先がどうなるかなんて私達にはわからない」
十「怖くないっすか?」
羽実果「怖くないよ?」
覚悟を決めた二人の顔は、清々しいまでの笑顔で、綺麗だった。
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作者名:スノーローズ | 作成日時:2017年7月16日 20時