77話 咆哮 ページ37
羽実果side
ヘラヘラしてた方が私らしい…か。
そうかもしれない。
だけど、今回ばかりは…今回ばかりは私のままじゃいられないみたいだ。
羽実果「うっぅぁ……」
チ「うわあああ!!ちょ、ちょっと」
天藍「羽実果様…」
母上が死んでしまった。
私達をかばって。
精神的な死はもう元には戻せない。
魂そのものが消えてしまったのだから。
狐優紀「あぁあああ!!」
お「泣くなよ〜、いや、無理なのわかってるけどさぁ…」
ト「じゃ言うなよ!!余計泣かせてどうするのおそ松兄さん!!」
泣くなっていう方が無理だ。
肉親が完全に消えて、悲しまない者があろうか。
いや、無い。
天藍「それより、早く人界に戻りましょうおそらく人界はそろそろ九刻になるかと思わr…(銀「ああああああああああ」…んなっ!?」
狐優紀「銀!?」
あいつまだ動けて……。
銀「半妖は全て排除する」
主旨ずれてる!!狐優紀に恨み持ってたんじゃなかったの!?
しかしそんなことを確認している暇はなかったようである。
大きな狐に化けた…というより本性を表した銀はそのまま前足で私と狐優紀を蹴り飛ばす。
当然受け身の姿勢が取れずに私たちは吹っ飛ばされ、そのまま地面に叩きつけられた。
カ「羽実果!!」
十「狐優紀ちゃん!!」
クソ、こいつ……。
銀「半妖など悪でしかない…妖界にも人界にも必要ない……消えろ」
おおよそ狐のものとは思えぬ咆哮。
その口から放たれた無数の竜巻は束になり、周りのものを巻き込んでこちらに向かってくる。
狐優紀「……っ!!」
羽実果「くっそ……」
体が動かない…皆を巻き込んでしまう。
そうこうしている間にも、竜巻は私達の目と鼻の先まで迫っていた。
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作者名:スノーローズ | 作成日時:2017年7月16日 20時