70話 覚を倒せ ページ30
狐優紀side
狐優紀「あぐぁっ!!…ゴホッゴホッ」
やっぱりこいつは厄介だ。
妖怪、覚。
相手の思考を、行動を先読みすることなどお手の物。
正直速さはそこまでないけれど、まず攻撃が当たらないから全くもって歯が立たない。
それに加えて攻撃されるものだから、こちらばかりが傷つき、体力の消耗も激しい。
ト「狐優紀ちゃん!!無茶だよそんな状態で戦っても逆に傷つくだけだって!!」
でも助けなきゃ、私一人で来たのが悪かったんだよ。
そんなの自業自得というものだ。
狐優紀「早く…早く、二人を、助けなきゃ……」
カ「無茶だ!!」
覚「俺を倒さないと二人は助からんぞ」
そんなこと、知ってるさ。
狐優紀「それじゃあ……」
立ち上がり、再び構えると私は叫んだ。
狐優紀「それじゃあ、自分を抑えるしかないようじゃな!!」
覚「……どう言う…!?」
狐優紀「読めないだろう?私の心が、自分を押し殺し、貴様を転生させるということじゃ!!」
カラ松やトド松を助けるためだ。
自分の意思とか、感情とかは関係ない。
苦しみや、悲しみなんて知らない。
ただ相手に突っ込むだけ。
何も考えずにただ攻撃するだけ。
覚「ぐあっ!?」
狐優紀「臨兵闘者皆陣烈在前!!」
祓っても祓っても湧いてくる邪気と妖気。そして瘴気。
私の心が読めなくなった覚は警戒し、悪鬼や小妖怪を私に向かって投げつける。
前に進めない。
そのせいでまた思考がぶれてしまう。
覚「今、こいつらが邪魔だと思ったな」
覚はにやりと、気味の悪い笑みを浮かべた。
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作者名:スノーローズ | 作成日時:2017年7月16日 20時