64話 言えない、寂しい ページ24
十四松side
カラ松兄さんとトド松がいなくなったと聞いてチョロ松兄さん、一松兄さんと一緒に家に急いで帰ってきた。
居間には誰もいなくて、いつも騒がしさは全く見受けられないくらいに静まり返っている。
お「おい羽実果!!なんか知ってるんじゃねえのかよ!!俺たちじゃなんも手伝えねえのか!?」
羽実果「……っ」
天藍「お、おそ松様!!」
2階からおそ松兄さんの怒鳴り声と天藍君の焦る声。
バタバタと慌てて二階に上がると、声が発されていた場所は羽実果ちゃんと狐優紀ちゃんの部屋だった。
チ「ちょっ、おそ松兄さん落ち着いてよ!!」
一「焦るのはわかるけど、怒鳴ってどうにかなることじゃないでしょ」
お「んなことわかってんだよ!!」
十「羽実果ちゃん…」
羽実果「ごめん、言えないんだ」
言えない。
きっとなにか理由があるんだろうけど、なんだかちょっぴり寂しいや。
天藍「でも羽実果様…」
羽実果「天藍君、君は主の言葉に背くつもり?」
そういった羽実果ちゃんの言葉は今までに聞いたことがないくらい低い声だった。
まるで背筋が凍るようなその感覚に僕達は身震いした。あの、おそ松兄さんまでもが。
羽実果「皆が納得いかないのもちゃんとわかってる、でも、これ以上事を大きくしてしまうと、取り返しがつかなくなってしまう気がするんだ」
誰も傷つけたくないんだよ。
そういった羽実果ちゃんは僅かに震えていた。
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作者名:スノーローズ | 作成日時:2017年7月16日 20時