36話 船幽霊トップ青蓮 ページ40
狐優紀side
海岸で開いた妖界への境界をくぐり抜け、着いた先は妖界の海岸。
やっぱりそこら辺中に人の生き霊が漂っている。
ト「お、おそ松兄さん!?」
お【あっ!?トド松!?お前なんでここにいんの!?てかここどこだよ!!】
ト「わからないでなんでいるか聞いたの!?」
どうやらおそ松君の生き霊がいたようである。
と言うことは……
チ【あっ!?えっ!?なんでみんないんの!?てか僕死んだ!?】
やはりいた。チョロ松君の生き霊。
船幽霊に魂だけ連れ去られた人はどうやらここに留められているらしい。
すぐに殺したりしないあたりは良心的だが、この気味悪いところに連れてくるのは少々悪趣味な気がする。
狐優紀「そこにいるのはわかっておる、出てこい!!」
私が叫ぶとキャハハハハッと狂った笑い声をあげながら、女の妖怪が出てきた。
と言っても船幽霊の船長的存在なのだが……。
?「こんなところに来るなんて珍しいこともあったものねぇ、赤塚神社の天狐様?」
狐優紀「その嫌味な口調をすぐさま辞めてはくれぬか“青蓮”」
青蓮「あら、どうして?天狐様には変わりないでしょう?」
青蓮、船幽霊のトップと言うべき女妖怪。
私からするとギリシャ神話に出てくるセイレーンという怪物に近い気がするのだが、本人はこれを聞くとひどく怒るので言わないでおく。
とにかくだ、この嫌味な口調、ニヤニヤした笑、今回の事件の犯人はおそらく青蓮で間違いはないだろう。
青蓮「それで、今回はどういったご用件で?」
狐優紀「一連の事件、犯人はお主じゃろう?無闇矢鱈に人の子を巻き込むなどあってはならない、妾は人の子らを返してもらいに参ったのじゃ」
青蓮「あらやだ、私の獲物を捕ろうというの?」
狐優紀「どう解釈したらその答えに行き着くのやら…別に誰もお主のえものをとるといっているわけではなかろう?
お主がさらった子らは本来こちらの世界に来てはならぬものじゃ、妾はその子らをあるべき場所に返すともうしておるだけじゃろうて」
あぁ、目の前のあやかしの顔つきが険しくなっていく。
これは、長引きそうだ。
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作者名:スノーローズ | 作成日時:2017年7月9日 0時