花には水を、人には人を妖に＿＿＿? (ページ25)

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２１話人界へページ25

狐優紀side

九尾を強制的に転生させて、急いで走ってこっちに来てみたら……。

あちらこちらで火が燻ってるわ、屋敷の入口は水浸しになってるわ、急成長した草が生えてるわ……

何なのこれ!?どうしたらこうなるの!!

屋敷の状態もかなりひどくもはや廃墟。

しかも破損したのはつい今しがた。

だって破損部分の傷が真新しいんだからそうとしか思えないだろう。

天藍によると私が与えた妖力の影響らしい。

私が悪いじゃん……。

お「つーかこの小妖怪ども急に大人しくなったんだけど」

天藍「赤塚神社の神様と言ったら有名ですから」

小妖怪「天狐様だ!!」

正確に言うと赤塚神社の神様は元々私の母上なんだけど……。

狐優紀「九尾が神隠しに遭わせた人の子らを迎えに参った、今すぐに人界へ戻すのじゃ」

小妖怪「九尾様は、どうされたので?」

狐優紀「転生命令により妾が狐火で転生させた、時期に生まれ変わるじゃろう、さあ、早く人界へ」

小妖怪はワラワラと屋敷に入っていき、今までに連れてこられた人達を屋敷の外に出した。

屋敷の外に出た以上、妖気と邪気と瘴気に当てられる可能性が格段に上がってしまう。

天藍「狐優紀様、結界陣を」

結界陣は魔法陣の様なもので、それこそ邪悪な気に対して建物のような役割を果たす。

私はそれを張ると妖界と人界との境界を開いた。

お「これ通ったらどうなんの?」

狐優紀「それぞれ神隠しにあった場所に戻る、あ、十四松君はおそ松君が抱えていて、それであの路地裏へ行けるはずだから」

松野家の神隠しに遭ってしまった二人は、案の定気絶していた。

ト「なんで僕だけ変な力でなかったんだろう…」

狐優紀「戦闘向きの力じゃなかったのかもしれないね」

例えば治癒の力とか。

そう言うとなるほど、とコクコク頷いたトド松君。

松野家以外の人が外に出たのを確認すると、私達も妖界の外へと出た。