34話 ページ35
トド松side
けたたましい音を立てて大破した扉の前に立っていたのは、夕闇ちゃんと影刃ちゃんだった。
助けに来てくれた?
でも今の僕にはお礼を言うような余裕はなかった。
どうしてここに?とか、助けに来てくれてありがとうとか、そんな言葉が出るより先に出たのは…
ト「兄さん達は!?」
おそ松兄さんや、カラ松兄さん達のこと。
僕と十四松兄さんが捕まってしまっているくらいだ。
いくら最強ファミリーと言えど危険な目に遭っているかも知れない。
早く行かなきゃ。
夕闇「落ち着け、私たちがここに着いたのはちょうど今だ、おそ松とか、カラ松とかを探しに行く前に二人を見つけたんだから他の兄達がどこにいるかなんてまだわからない」
つい焦りすぎて他のことに気が回ってなかった。
そうだよね、ここに着いたのが今ならまだ兄さん達を見つけられているわけないもんね。
夕闇「今枷を外すから……“羽実果”、十四松の枷お願い」
と「え……?今…」
夕闇「ん?あぁ……名前のことか…てっきりとっくに知られていると思ったんだがな…私は凛堂結貴野、で、こっちはさっき言ったとおり羽実果、大戸羽実果」
やっぱりあの事件の被害者の子供だったんだ。
結貴野「よし、じゃあ行くか、動けるか?」
ト「え…あ、無理、足動かない」
さっきの薬のせいか足が小刻みに震えてまともに歩けそうもない。
結貴野「大方薬が回ったんだな…おぶされ」
中腰の状態で待機され、いくらなんでも高校生におんぶして貰うのは……なんて渋っていると、気がつけば勝手におんぶされて建物内を動いていた。
成人男性おぶって走り回るって…この子本当に何なんだ。
なんて思う反面、自分が情けなく、恥ずかしく感じた。
成人してまでこの体制は……ない。
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作者名:スノーローズ | 作成日時:2017年6月12日 8時