goodbye bad person (ページ13)

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12話ページ13

結貴野side
沈みかけ、傾いた船内をひたすらに駆け回る。
逃げ遅れた人がいるなら何とかして助けなきゃならない。

外から見ていないから状態はよくわからないが、この船はおそらく５分の３程度は沈んでしまっているのではないだろうか。

結貴野「そろそろ本格的にまずいな...」

船が傾き、さらには船内にも水が浸入してくる始末だ。

？「やっべぇあかねえ!?」
？「水圧か?いずれにせよこれじゃあ脱出もできないぞ?」

浸水し、ドアの三十センチくらいまで海水が昇ってきている部屋の中から二人組の男性の声がした。

結貴野「誰かいるのか?」
？「え、あんた誰?」

いや、そりゃこっちのセリフでもあるんだが…。

こんな部屋で今の今まで何してたんだ。
流石に船が傾いたことくらいわかるだろ。アホか。

結貴野「……細かいことは言い、今部屋の戸を開けるから下がってろ」
？「え、あ、あぁ……」

私は腰に常備しているデザートイーグルを抜き取るとドアに向かって一発撃ち込み、撃ち抜いた部分を蹴り飛ばして扉を壊した。

？「「えぇええええええええ!?」」
結貴野「ぼさっとしてると沈没に巻き込まれるぞ、早く出て来い」

海水は既に私の膝あたりまで来ていた。
沈没するのも時間の問題だ。

三人揃ったのを確認し、甲板から海に飛び込んで猛スピードで泳ぎ客船から離れる。

船が沈没する際に起きる渦に巻き込まれてはまず助からないからだ。

十分に離れたあたりで後ろを振り向くと、ちょうど船が沈没するところだった。

まさに間一髪。
ところで羽実果はどこにいるんだろうか。