恋心流星群（ ryosuke × yuri ）

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朝のことがあってから、今日は僕からも圭人からも涼介の話題は出てこなかった


相変わらず僕の頭の中は涼介のことでいっぱいだったけど、お互いが気を使いあってなかなか話題に出せなかった


講義中、ぼーっとペン回しをしていると、ふと２枚のチケットのことを思い出して鞄からそっとだした





結局、渡せなかったな





漏れそうになるため息を唇を噛んで耐えた

じわりと滲んできた視界

零れそうになる涙を堪えるようにあくびをする振りをして上を向いた





圭人「…どうしたの？」





不思議そうに隣から僕を覗き込んで来た圭人

折れてしまわないようにこっそりチケットを僕のポケットの中にしまって「なんでもない」と答えた





教授なのか准教授なのかどちらでもないのかも分からない先生の声も全く耳に入ってこない


こんなに講義に集中できなくなったのは多分、涼介に会ってからだ





…





日が傾きかけて、空が微かにオレンジ色になり始めた頃

今日の分の講義が終わって、ぐっと伸びをした





圭人「帰ったら久しぶりにゲームしようよ！」





圭人からの久しぶりのゲームの誘いに食い気味に賛成した

１日も欠かさずにやり続けてきたゲームなのに、最近は何日かやっていない


わくわくした気持ちに自然と足取りが早くなる





圭人「何時から始めよっか？んー、今何時だろ」





圭人の問いかけに、時間を確認しようとポケットの中に手を突っ込んでスマホを出した


瞬間、同じポケットに入っていた２枚のチケットが風に揺れながら僕の目の前で舞い踊る



慌てて伸ばした手も、薄い紙はするりと抜けてゆらりゆらりと揺れていく





涼介『知念』





その様子がふいに彼の姿に重なって、しまったはずの涙が溢れ出そうになった

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