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サンジュウハチ ページ10

「すいません、
この子と同じ服を着た女の人見ませんでしたか?」




桜ちゃんがお母さんとはぐれた
という場所に着いたが
お母さんらしき人は見当たらず
その周辺から動かないように聞き込みをする。




「あ〜?俺は見てないなぁ、迷子かい?」

「そうなんです」

「そうかい、見つかるといいなぁ」

「私たちこの辺動かないので
見かけたらここに居るって伝えて欲しいです」

「あぁ、協力しよう」




昔の人って親切だなぁ。
現代だと道聞くだけでも迷惑そうにされるのに。

いや、昔とかじゃなくてフィクションだからかなぁ。
この子もフィクションなんだよな
こんなに暖かいし、重みがあるのに

それを考えるとちょっと怖いかも。

桜ちゃんを担ぎ直すと
目の前が若干霞んだ。




「義勇さん、実弥くん」

「なんだ」

「どうかしたかァ?」

「ちょっと、抱っこ交代」




幼女の抱っこ幸せで永遠だと思っていたけれど
さすがに日差しが辛い。

羽織黒いから、よく考えたら熱吸収するし。

夜、あわよくばと思ってたけど
結局童磨の血を摂ることも出来なかったし。




「ごめんなさい、桜、重かった?」

「ううん、そんなんじゃないよ」

「へばってんのかァ??」

「うん……流石に日に当たり続けるのは辛い」




義勇さんが伸ばしてくれた腕に
桜ちゃんを預けて

桜ちゃんの子供体温のおかげで出た汗なのか
太陽の辛さで出た冷や汗なのか分からないけど

顎を伝った汗をぐい、と拭った。

実弥くんのバカにしたような言い方にも
反抗する気にならない。

重みが無くなって少しだけふらつく。




「影に行ってるといい」

「うん、ごめん」

「おら、掴まれよォ」




差し出されたのは実弥くんの傷だらけの腕。

……いつから、情湧いてくれたのかな。
私の実弥くん呼びのきっかけ?
ママみ。不死川ママみ。




「ありがとう」




義勇さんと桜ちゃんを2人きりで
置き去りにして、はたして大丈夫なんだろうか。

後ろ髪を引かれる思いではあるが
夜は任務があるし背に腹はかえられない。

実弥くんの腕に左手を添えて
すぐそこにあった甘味処の
裏手の方まで引っ張ってもらう。


腕の傷に触れた瞬間
お酒を飲む前の高揚感に似た気分と
脳が揺らぐ感覚がした。

サンジュウキュウ→←サンジュウナナ



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こまめ(プロフ) - 確かにー!引っかかってた正体それですね!ご意見ありがとうございます! (2020年2月9日 17時) (レス) id: f592ede3ed (このIDを非表示/違反報告)
まくすうぇる(プロフ) - キメツ学園での姓、○○・アルカードにした方が良いのでは? (2020年2月9日 0時) (レス) id: db32ad90f1 (このIDを非表示/違反報告)
こまめ(プロフ) - 桔梗さん» 私が知ってるネタなら全部ふざける肥やしにします(強者) (2020年2月3日 19時) (レス) id: f592ede3ed (このIDを非表示/違反報告)
桔梗(プロフ) - 刀剣〇舞wwwwwww (2020年2月3日 19時) (レス) id: 1648d20314 (このIDを非表示/違反報告)
こまめ(プロフ) - 神威さん» わぁあ!ありがとうございます!がんばります! (2020年1月6日 15時) (レス) id: f592ede3ed (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:こまめ | 作成日時:2020年1月4日 19時

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