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10 コハル ページ13

矢っ張りユウトは変だ。
私は敵なのに、庇って怪我して…。

____お前も逃げろ…死にたくねえだろ…。

私はポートマフィアに入った時点で何時でも死を覚悟している。それが鷗外様の為なら、喜んで身を投げる心算だ。

ぼんやり考え乍散歩していると、
「おや、ハルちゃんじゃないか。大きくなったねぇ」
『…太宰さん。』
今一番会いたくない人に会ってしまった。
私はこの人が苦手だ。何を考えているか読めないし、逆にこっちの考えている事を見透かしているように話すし。
「随分距離を置かれちゃったなあ。昔は"治さん"って可愛く呼んでくれたのに〜」
『ポートマフィアを裏切った貴方を下の名で呼ぶ理由はありませんから。』
「…相変わらずの忠誠心だね。」
そう、私には両親の居場所だったポートマフィアを裏切るという選択肢は元から無い。

例え敵が親友だろうが、幼馴染みであろうが…

「随分思い詰めているようだね。」
ほら、其れ。私が語って無い事も当たり前のように知っている。
「そんなに思い詰める位なら、直接会ってくれば良いのだよ。」
そう云うと、太宰さんは私を無理矢理トレーラーへ連れて行った。
『太宰さ…』
居ない。何なんだ、彼の人。
暫く立っていると、ユウトが外に出てきた。

『ユウト、変なの。』
「…ハル。」
『否、変を通り越して馬鹿なんじゃないの?もう少しだったのに、庇って怪我するとか…』
「…っ俺は」
『私を傷つける位なら死んでも良い、って?甘いんだよ、考えが。』
私は態と怒らせるような事を云う。
『そんな覚悟でよくWeiβに入ろう、なんて思ったよね、笑っちゃう。』
其処まで云い切り、ユウトに背中を向ける。
『他の方々に伝えといて。
ポートマフィアは貴方々を全力で迎え撃ちます、と。』
これで良いんだ。ユウトに嫌われれば、私もユウトも容赦なく戦える。
『次に会うときは、あの蹴り位躱せるようにしなよ。そう来なきゃ面白くない』
そう云って、その場を去った。
陰でWeiβの方々が見て居たのを、気付かない振りをして。

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作者名:神楽小夜・コハル | 作者ホームページ:   
作成日時:2017年1月14日 12時

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