8 コハル ページ11
…お見事。
私はアヤさんを見つめ聴こえないよう呟いた。
私に気付かれないようにユウトに伝えるつもりだったんだろうけど、残念。バレバレだよ。
嗚呼、失敗したなぁ。
こんな事なら、癪だけど太宰さん辺りに頼んで探偵社の女医さんに治して貰えば良かった…
痛いの嫌だけど。
却説、如何しよう。
次に会ったら確信を持たれる。かといって、龍とかに任せたらそれでもほぼ正解と云っているようなものだ。
兎に角、バレたとしても、マフィアの情報は吐く気は無いよ、お2人さん。
マフィアではお喋りは使えない、からね。
私は電話をかける。
『すいません、私正体バレたっぽいのですが。
中也さん。』
「手前なぁ、帰って来た上司を労う言葉は無ェのかよ…」
『オツカレサマデシタ(棒)』←
「_はぁ、一旦戻って来い。首領に話さない事には何も出来ねェからな。」
『御免、ユウト。用事が出来ちゃったから、私帰るね。』
ユウトが何か云っていたけど、聴こえない振りをして帰った。
________________
「手前、フード似合わねェな」
『『之被らなきゃ確信持たれるじゃないですか。』』
「矢っ張りエリス嬢の声だと違和感しかねェ…」
鷗外様に相談した結果、先日と同じ姿で、異能力で話す事にした。
頭に話し掛ける声なら、幾らでも変えられる。因みに今はエリス嬢の声である。
「__来たぞ。」
奥を見ると、ユウトとアヤさんらしき人影が近づいて来る。
『『なあんだ。又来たの、君達。』』
精一杯演技をして近づく。
アヤさんは容赦なく襲い掛かってくる。が、ユウトはその場に固まったままだ。
____好都合。
『『中也さん、其方の赤髪さんお願いします。身長差かなりありますけど(ボソッ)』』←
「五月蝿ェ!手前の方が小せェっつの!」
…うわあ、激戦。中也さんの蹴りを止めるなんてやるなあ、アヤさん。
__さあ、私も仕事なの、ユウト。
『『動かないと死ぬんじゃ無かった?おにーさん』』
貴方の覚悟はそんなものなの?
私はユウトに蹴りを入れた。
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作者名:神楽小夜・コハル | 作者ホームページ:
作成日時:2017年1月14日 12時