12 ページ13
やばいやばいやばいやばいやばいやばいやばい
鏡花ちゃんも心配だけど今は自分が1番心配、もう30分もすぎてるよ
確か執務室で会う予定だった筈、兎に角走れ自分!
『はあ、はあ、』
息を整えて部屋に入る
『失礼します』
けどそこに今探している人物はいなかった
『首領、あの〜』
先刻まで私に気づくことなくエリス嬢を追いかけ回していた首領が此方を向いた
「ん、なんだね?」
『中原幹部は何処に?』
「中也君ならA君が遅いって自室に帰っていったよ」
首領はなんとも嬉しそうに話す
いやいや面白くないから先刻よりもっとやばい状況だから!
『ほ、ほんとですか、わかりました。失礼します』
執務室を出るなりまた走り出す
3ヶ月ぶりくらいの全力疾走をしてやっと中原幹部の部屋の前までやってきた、が勇気が出ない、だって絶対怒られるもん
扉の前でうじうじすること約7分
ドガッ
『痛ッ』
目の前の扉がいきなり開いて私のおでこに当たって
「悪いってかこんな処で何してやがるA」
ガシッと頭を掴まれる
幹部の怖いお顔とおでこの痛さで涙が出てくる
『ごめんなさい』
「まあいい」
掴んでいた手は離され今度は優しく撫でてくれた
「ただいま、待たせたな」
『おかえりなさい、中原幹部!』
やっと一緒にお仕事ができる
「あ、そうだ何か太宰の野郎が捕まってるらしいから嫌がらせに行ってくるわ」
え、今なんて言いました!?
ええ!!
『私も行きます!!』
んーっと困ったように口を開いた
「来てもいいが、手前が随分と可愛がってる餓鬼が芥川に楯突いてるらしいぜ、ほっといていいのか?」
私が鏡花ちゃんのこと可愛がってることをなんで中原幹部が知ってるんだろう
いや、今はそんなこと考えてる場合じゃない
『ダメです、私ちょっと行ってきます』
「おい、待て」
焦ったように私のことを呼び止める
『なんですか?』
急いでるのに
「場所わかんのか」
あ
『分かりません』
呆れられたのか溜息をつかれた
「ったく莫迦かAは芥川たちなら先刻すれ違ったから急いで行けばまだ間に合うだろ」
『ありがとうございます!』
「気をつけろよ」
『はい!』
本日三度目の全力疾走です
少しすると芥川らしき背中が見えてきた
『待って芥川!私も行く!』
ねえ太宰さん、人を殺すだけじゃなくて助ける事が私に出来るかな?
やってみるよ、今から
4人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:りょうくん | 作成日時:2020年5月2日 1時