【REBORN!】最恐なお姉ちゃん。ｰ5ｰ (ページ15)

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144話ページ15

一樹side

このお方は俺達よりもよくA様の事を知っている事で有名だ

有名、とは言っても小さい時から彼女を見ていた人はこの人ぐらいだから俺達は重要視している

俺達が知らない会長を見たことがあるのだから

目の前で、会長の頬を撫でる仕草はとても慣れた手つきであやす様に、優しく微笑んでいる

ーーーー不思議な人だ

会った時から、俺はずっとそう思ってた

とても居心地が良くて、全てを包み込んでくれるそうな

A様に似たお人だった

まるで、全てを包み込むような大空のようだ、と思えた

だから、か。

少しでもA様の異変に気づけたのは

｢....一樹君｣

｢....はい｣

彼の目は俺へと向き、その瞳に胸が高鳴った

情熱とも言えず、冷酷でもないその瞳に、少しの恐怖が芽生えた

これも、昔から。

不思議な人故に、この人は何処か恐ろしい。

俺には分からないが、何かを隠しているのも事実

怖い人だけれど、不思議な人だ

｢これからも、Aちゃんをよろしく頼むよ｣

｢.....勿論です｣

そして、A様の秘密を知る唯一の存在

こうやって、家族以外に心を許す人はこの人以外にいないだろう。

A様は心を閉ざしているのだから、そう簡単には開いてくれない

そうやって、彼女に触れられるのもまた家族を含め彼のみ

俺達がまだA様と出会う前まで、彼女を見守り続けている。

そして今も、これからもずっと。

その身が滅びるまでこのお方はA様を見守り続けるだろう。

俺は分かる。

彼は、｢普通｣の人間ではない。勿論、人間だが、育ちが違う

”俺達”と同じ世界の住人なのだから

何故、ここにいるのかは分からないが....それは、知る必要もないと思う

今は、こうしてA様を救う人であって欲しいから

｢...さて、そろそろ帰りなさい。君達はそう、暇ではないでしょう？｣

ゆっくりと、立ち上がるとA様に手を差しのべる。

......それは普通、反対だと思います。

A様はその手をとらず、自ら立つと俺の方へと歩み寄る

｢帰りますか、A様｣

｢.......あぁ｣

決して振り返らず、A様は部屋から出ていった。

俺も彼女の後を追おうと、老人に向き合い一礼する

｢一樹君、決して彼女を見捨てないで欲しい｣

彼女は強くて弱い、だからずっと側にいてあげて欲しい。

そんな事.....、当たり前だ

｢俺は、俺達は”あの日”からあの方について行くと誓いました｣

あの人の力になれるように。