28話 ヒーロー ページ29
女の子 side
お兄ちゃんと不良の喧嘩がヒートアップしていって、お兄ちゃんが蹴られたり殴られたり…見ている私は、ただ只怖かった。
何も出来なくて、泣いているだけの自分は情けなくて叫んだって相手は辞めてくれないのに
お兄ちゃんが危ないって、思った時誰でもいいから助けを呼んだの。ここは一通りが少ないって知っていても、これ以上お兄ちゃんが傷つく所が見たくないから
己の力一杯に｢助けて｣って叫んだの
そしたらね、何が起きたのか分からなかったけど…目の前にね女の子が立っていたの
さっきの不良の人は壁にぶつかって倒れていた。ぐだーってしていて、動かないの
｢お兄ちゃんっ、あの子…｣
｢…なんて速さなのだ。全く見えんかったぞ｣
私とお兄ちゃんは女の子の動きが見えなかった。気づけば不良の人が倒れていて、お兄ちゃんをいじめてた人達はあっという間に女の子にやられていた
お兄ちゃんを傷つけたナイフを手に持って、もう1人の男の人の首に突き当てて、何か喋ってる見たいだけど、あまり聞き取れなかった
そしたら急に女の子が不良の人のほっぺを殴ったの。次は私達に聞こえるぐらいの声で、不良の人に言った
｢痛いでしょう？でもね、彼はもっと痛かった。もっともっと殴られて、切られて痛かった筈なのに諦めなかった。彼は守ったんだよ、最後の最後まで自分を見てる妹を｣
｢彼こそが本当の兄だ。アンタらが誰でも、年上だろうと挫けず相手にした。なのにアンタらは、年上に手加減もしなくて、遊んで楽しんで…巫山戯るなよ｣
その声は確かに怒っていた。
けど、わたしはねとてもその言葉で救われた気がした。
お兄ちゃんが正しいって、私やお兄ちゃんの悲しみと怒りをちゃんと女の子は伝えてくれた。
名前も知らない、会ったこともないけど…とても嬉しかった。
こっちに向かって来た時、私は勇気を込めて女の子に声をかけたの
｢お兄ちゃんを、…助けてくれてありがとうっ！｣
｢…別に、アンタらを助けたわけじゃない。｣
｢でも、｣
ぽんっと、頭に女の子の手が置かれる。それでそっと優しく撫でてくれた
その仕草が、何だが落ち着いたの
｢私は見ていて腹が立ったから殴っただけ。彼を救ったのは、アンタだよ｣
｢わたし？｣
｢…そう。私何かよりも、アンタの方が何十倍も強いさ｣
名前も聞けないまま、女の子は行ってしまった。
まだ頭に残る温もりを感じながら、わたしはそっと、手を握ったの
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蓮@(プロフ) - 闇の道化師さん» ありがとうございます！喜んでもらえたのなら作者も嬉しいです。更新頑張りますね (2017年3月8日 18時) (
レス) id: 265fac0211 (このIDを非表示/違反報告)
闇の道化師 - こういう作品大好きなので頑張って欲しいです！これからも頑張ってください♪ (2017年3月7日 23時) (レス) id: a4c5ed2f5a (このIDを非表示/違反報告)
蓮@(プロフ) - (名前)さん» ありがとうございます！楽しんでいただけるよう作者も頑張ります。 (2017年3月5日 22時) (レス) id: 265fac0211 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)(プロフ) - お返事ありがとうございます。私もハッピーエンド好きなので嬉しいです。更新頑張って下さいね。 (2017年3月5日 21時) (レス) id: f2e5b2371a (このIDを非表示/違反報告)
蓮@(プロフ) - (名前)さん» 落ちは決まっています！作者はハッピーエンドが好きなのでそうしようかなと思っています！一応話はシリアスメインですけどね (2017年3月5日 20時) (レス) id: 265fac0211 (このIDを非表示/違反報告)
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