29話 厄介な男 ページ30
一体私は何をしていたのだろう。
あの時、あの現場を見つけなければこんな事にはならなかった。出ていかなければ、会わずに済んだのに
なんで助けたんだろ。なんであんな事言ったんだろ
完全にやらかした。順風満帆な一時さえ踏み潰してしまった。自ら壊してしまうとは、なんたる失格
でも、あの時不良の男に言った言葉は自分で否定は出来ない。理由は分かりたくもないけど、多分それに関しては私もなにも言わなかった
だって、
妹を、あの子と重ねていたから
声も、顔も何もかも違うのに
なのに、私の体は動いたんだ。あの子を守らないとって、あの子が涙を流した時、｢助けて｣と叫んだ時、私は無意識に｢助ける｣と動いた
そしたらあんな事になっていた
まだ右手に残る温もり。久しぶりに誰かの頭を撫でた気がする。最後に撫でたのは…甘えたな妹、あの日の前日だった
優しくて一緒にいて心地よい、妹といる時は何時も私の心を満たしてくれた
妹は私が頭を撫でる時、何時も笑って｢暖かい｣って言ってくれたんだ
ああ、妹に会いたい。こんなにも、会いたいって思うのに
この世界には妹はいないんだ
なんで私だけだったんだろう。私だけじゃなくて、妹もいたら…もしかしたら、今よりももっと生き生きとしていたんじゃないかって、この頃思うんだ
｢――ねえ、君｣
地面に投げ捨てたランドセルを背負って、いざ家へと帰ろうとした時、公園から離れた裏道で後ろから声が掛かってきた
私は足を止め、ゆっくりと後ろを振り向く
視界に入ったのは、
” 学ラン ”を羽織った私より少し小さな男の子
彼は、知っている
この並盛で特に有名な、不良集団を率いる男。将来並中というところで出会う、会って厄介な相手
私がこの世界に生まれた時、彼に会った時は…絶対に関わらないように、興味を持たれないように地味に過ごすこと。
私が普段地味に過ごしている理由として、彼に出会うことを防ぐためも入っている
しかし今となっては、
それは無駄になったかもしれない
彼が人に興味を持つ条件は、一つだけ
自分よりも、強い相手を見つけて戦うこと。
｢なに｣
｢さっきの、不良をぶっ倒したの見てたんだ。それでね、僕…君に興味が湧いた｣
｢…｣
｢ねえ、僕と戦ってよ｣
まだ中学生じゃないのに。彼は昔からこんなだったのだろうか、
いや、それ以前に気合が入っている目の前の彼をみて
またため息をついた
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蓮@(プロフ) - 闇の道化師さん» ありがとうございます！喜んでもらえたのなら作者も嬉しいです。更新頑張りますね (2017年3月8日 18時) (
レス) id: 265fac0211 (このIDを非表示/違反報告)
闇の道化師 - こういう作品大好きなので頑張って欲しいです！これからも頑張ってください♪ (2017年3月7日 23時) (レス) id: a4c5ed2f5a (このIDを非表示/違反報告)
蓮@(プロフ) - (名前)さん» ありがとうございます！楽しんでいただけるよう作者も頑張ります。 (2017年3月5日 22時) (レス) id: 265fac0211 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)(プロフ) - お返事ありがとうございます。私もハッピーエンド好きなので嬉しいです。更新頑張って下さいね。 (2017年3月5日 21時) (レス) id: f2e5b2371a (このIDを非表示/違反報告)
蓮@(プロフ) - (名前)さん» 落ちは決まっています！作者はハッピーエンドが好きなのでそうしようかなと思っています！一応話はシリアスメインですけどね (2017年3月5日 20時) (レス) id: 265fac0211 (このIDを非表示/違反報告)
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