22話 逃げることは許されない ページ23
悩みの末、結果は決まらなかった。ああだこうだの、よく分からない話し合いをしていた二人に付いていく事が面倒臭そうで途中で目をつぶった
そのまま眠ってしまったみたいで、意識は完全にシャットダウン…していなかった。
意識だけは何故か少しだけまだあった訳で、私が寝たあと彼らは” あっち ”の仕事の話をし始めた
生憎私の体は言うことが効かず、意識がある中ただ黙って彼らの話を聞き入れることしか出来ない
｢9代目、” あいつ ”は…元気ですか｣
｢…ああ。しかし、あの子は私に心を開いてはくれない。あの子が笑った笑顔を、私は1度も見たことがないよ｣
｢…そうですか｣
｢Aちゃんは、よくあの子に似ている。この子を見ていると、あの子と重ねてしまうんだ。｣
あの子とは。そう言えば、彼には息子がいた筈だ。名前は憶えていないが、確か主人公よりも年上で、後継者争いで出てくること。
つまり、彼の息子と私は将来戦う事を意味する
彼はどんな気持ちで、戦いに挑んだのだろう。どのような思いで、立ち上がったのだろうか
人を、殺す覚悟があったのだろうか
｢――――……家光｣
彼が私の頭を撫でるのを止めると、彼は落ち着いた声で、沢田家光に言ったのだ
｢この子は――――――……この子の持っている炎は、全てを包み込む大空の炎。人を近づける、優しい炎だ｣
｢っ…｣
｢本当なら、この子は私たちの世界に生きるべきではなかった。奈々さんと、家光と三人で幸せに暮らして欲しかった｣
｢9代目！｣
｢―――すまない、家光。すまないAちゃん。君を、この世界へと招いてしまったのを…どうか許してくれ。そして…私を憎んでくれ｣
彼の言葉が耳に響く。彼の謝罪が、彼の言葉が…私の頭に残るのだ。
何故、なぜ…ナゼ____？
何故こんなにも、私は逆らえないのだろうか
運命とは自分で切り開いていくものではなかったのか。縛られるだけの、人形のように生きていかないとダメなのか
私は、運命から逃げられることは出来ないのか
彼の言葉が、何よりもの証拠なのだ。そして現実を思い知らされる
｢出来れば、君たちが幸せに暮らせる環境を作ってやりたかった。…だが、Aちゃんの持つ炎は巨大だ。将来、必ずも彼女の炎はどんどん大きくなっていく。今はまだ目覚めていなくても、いずれはその炎はAちゃんを蝕むだろう｣
｢そんな…！｣
運命からは逃れられないのだと
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蓮@(プロフ) - 闇の道化師さん» ありがとうございます！喜んでもらえたのなら作者も嬉しいです。更新頑張りますね (2017年3月8日 18時) (
レス) id: 265fac0211 (このIDを非表示/違反報告)
闇の道化師 - こういう作品大好きなので頑張って欲しいです！これからも頑張ってください♪ (2017年3月7日 23時) (レス) id: a4c5ed2f5a (このIDを非表示/違反報告)
蓮@(プロフ) - (名前)さん» ありがとうございます！楽しんでいただけるよう作者も頑張ります。 (2017年3月5日 22時) (レス) id: 265fac0211 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)(プロフ) - お返事ありがとうございます。私もハッピーエンド好きなので嬉しいです。更新頑張って下さいね。 (2017年3月5日 21時) (レス) id: f2e5b2371a (このIDを非表示/違反報告)
蓮@(プロフ) - (名前)さん» 落ちは決まっています！作者はハッピーエンドが好きなのでそうしようかなと思っています！一応話はシリアスメインですけどね (2017年3月5日 20時) (レス) id: 265fac0211 (このIDを非表示/違反報告)
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