2話 その優しさが苦しめる ページ3
彼の居所を奪ってしまった私は、絶望と孤独に包まれた。前世で味わったものが、再度同じ事が見に起きるなんて思ってもいなかった
何故私だったのだ、何故私じゃだめだったの。
なんで私が、生きなければならない。生きることを諦めたから、あの時死んだのに
生きるなら、彼ではなく只の平凡な庶民になりたかった
それすらも、許しては貰えないの？
私は彼には慣れないのに。彼みたいに優しくもない、仲間思いでもない。
彼みたいに、勇気なんてないのに
彼になればとことん面倒事に巻き込まれる。だって彼は主人公だ。この物語の主役だ
なれるわけが無い
｢Aちゃん、今日の晩御飯何がいい？｣
あれから四年が経った。何事もなく時は過ぎていき、私は今日をもって五歳になる
そのため、今は母親と買い物に来ている。小さな私の手を握って、彼女は笑って聞いてきた
｢なんでもいい｣
｢...そっか｣
生まれてからというもの、私は常に誰にも冷たく接してきた。冷たい、と言ってもただ必要最低限なだけ喋って動いてるだけ
元々人を信用する事が嫌いな私は誰も信じようとはしなかった。もちろんそれが両親でさえね
前世では常に妹だけが私の全てだった
この人は、何時も私を心配してくれることは分かっている。この人は、違うってことも分かってる
でも、無理なんだ
私が彼になった瞬間から、この人を母親とは思えない。他人でしか、ないんだ
本来生まれてくる筈だった彼を、私は奪ってしまった。
殺してしまった
アンタの目の前にいる子供は、犯罪者だ。彼を殺した、殺人鬼なんだよ
だから、優しくする必要はないんだ
ごめんね、
ごめんね
私は彼じゃないから、彼ではないから
貴方を悲しませてしまった。
｢それじゃぁ、今日はAちゃんが大好きなお母さん手作りの"肉じゃが"を作るわね！｣
それでもあなたは明るく私に接する。その明るさが、私には眩しすぎるんだ
どうしてそう優しくしてくるの？
私はあなたの息子を奪った鬼なのに。
その優しさが、
私を苦しめるんだ
(誕生日)
(それは彼が祈われる筈だった大切な日)
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蓮@(プロフ) - 闇の道化師さん» ありがとうございます！喜んでもらえたのなら作者も嬉しいです。更新頑張りますね (2017年3月8日 18時) (
レス) id: 265fac0211 (このIDを非表示/違反報告)
闇の道化師 - こういう作品大好きなので頑張って欲しいです！これからも頑張ってください♪ (2017年3月7日 23時) (レス) id: a4c5ed2f5a (このIDを非表示/違反報告)
蓮@(プロフ) - (名前)さん» ありがとうございます！楽しんでいただけるよう作者も頑張ります。 (2017年3月5日 22時) (レス) id: 265fac0211 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)(プロフ) - お返事ありがとうございます。私もハッピーエンド好きなので嬉しいです。更新頑張って下さいね。 (2017年3月5日 21時) (レス) id: f2e5b2371a (このIDを非表示/違反報告)
蓮@(プロフ) - (名前)さん» 落ちは決まっています！作者はハッピーエンドが好きなのでそうしようかなと思っています！一応話はシリアスメインですけどね (2017年3月5日 20時) (レス) id: 265fac0211 (このIDを非表示/違反報告)
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