宇井 郡・短編集 【東京喰種】

一緒にねんね ページ20

｢ちょっと…!!なんで宇井さん隣にいるんですか…!!｣

｢いいじゃん。一人は寂しいのー｣


遡ること数時間前


…………


｢はぁー……仕事任せすぎ……もうこんな時間｣


残業を終え、家に向かっていると道に倒れている人を発見。
慌てて近づいてみると、上司の宇井さん

ほっとこうかと思ったけど特等の立場的にも、人間という立場的にもヤバいので


｢宇井さん。なにしてるんですか。帰ってください｣


と、一言かけてみた。
すると、


｢君を、待ってたんだぁー｣


倒れていたとは思えないほどの笑顔

酔ってんなコイツ

もうほっといて帰ろうとしたけど、後ろをついてくる宇井さん

全力ダッシュすると、全力ダッシュしてくる
遅く歩くと、遅く歩いてくる
本当に酔ってるの?

そんな感じで逃げ切ろうとしたけど、さすが特等様｡
家についてしまいましたよ。


｢もう家着いちゃったじゃないですか!!はやく自分の家に帰ってくださいよ!!｣

｢遠いもん。逆方向だよー｣


渋々家に入れるとすぐソファーに倒れ込んだ。
あのままほっとこう

シャワーを浴びて、ご飯を食べて、明日の準備をして。
そんな事をしていたら午後11時を過ぎてしまった。


寝室にあるベッドにダイブ
すると｢うっ……｣という声が聞こえた

布団をめくってみると中にいたのは宇井さん

そのまま腕を引っ張られ、一つのベッドに男女が入っている状態になった。


｢なんで宇井さん上半身裸なんですか……｣

｢スーツは嫌だもん｣


後輩の家ですよ。後輩のベッドですよ。

ぎゅーっと抱きついてきたり、脚を絡ませてみたり｡


｢ふふ。人間カイロだぁー。あったかい｣

｢あー。はいはい｣


恋愛感情よりも怒りの感情が勝ってて良かった。
というか、この人本当に酔ってるのか


｢はーい。Aちゃん。おねんねですよー｣

｢……何歳だっけこの人｣



さて。次の日、怒られたのは私でした。


────────


｢ちょっと!!なんで私を投げなかったの!?｣

｢ええ!?今まで面倒見てた人にそれですか!?｣


────……

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