《文スト》ポートマフィアの妹ちゃん

大丈夫 ページ37

『はあ………はあ…………っ』

こんなとき後悔してしまう

もう少し、鍛えてたら

そしたらもっと早く走れるのに

もっと早く貴方に会えるのに

『っ…治くん……』

バンッ！！！

太「うわっ！そんなに勢い良く開けられたらびっくりするじゃないか」

いる、目の前に

伝えなきゃ

皆に手伝って貰ったのに

なのに、

恐くて、震えて、言えない

『え……っと、』

太「なにか、用事あるんでしょ？入ったらいいよ」

私の手を引いて中に入れてくれる

ソファに座らせてくれて、横に治くんが座る

太「どうしたの？」

あんなに言わないと、って思ったのに

声に出すことが出来ない

太「？！どうして泣いてるの！」

『…え？』

手を目元に持っていくと本当に泣いていた

こんなんじゃ、もっと言えない

どうしよう

『えっと、私…………ぅえ？』

太「……大丈夫」

治くんは私を抱き締めた

本当に優しく抱き締めてくれた

太「何があったのかは無理に聞かないよ、だから泣かないで」

ほら、本当に優しい

いつも優しすぎるよ

すごく安心する

これなら言えるかもしれない

『………治くん、あのね』

太「うん」

『私ね、治くんに、言わなきゃいけないことがあるの』

太「…うん」

大丈夫

言えるよ

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