38 赤羽聖奈 ページ42
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聖奈『…ただいま…』
彼女は帰宅し、挨拶をしてもその返事は返っては来なかった。もうなれている。なれてしまったんだ。
聖奈『………』
置き手紙にはこう書いてある。
〔今日から1ヶ月出張でいないから家のこと頼んだよ。勉強頑張りなさい。 お母さんより〕
いつだってこうだ。
親は彼女に期待しつつ、彼女に何も与えない。
聖奈『…一言ぐらい言ってからでもいいじゃん…』
誰にも相手にされなかった。その苦痛は彼女のみしか知らない。
彼女は誰にも頼るということを知らずに育った。
失うことの恐ろしさに怯えながら育った。
愛を貰わずに。笑顔を貰わずに。家族という温かいものに触れずに。育ってしまった。
従兄弟には頼らない。それは迷惑をかけたくない。そういうのではなく、頼るということを学ばなかった。
彼女が背負うのは親からの期待。
そして、A組という重圧。
助けてなんて言えない。そんな彼女は…
彼女は彼女にとっての光をまだ知らない───
学校
『…あ、聖奈さん!久しぶりですね!』
あの時とはまた少し違う雰囲気を纏っている憧れている二宮Aの姿を見つけた。彼女は二宮AがA組にあまり来なくなった理由を知っておらず、二宮Aは、月に一度のスパイとしての報告に来ていた。
聖奈『お久しぶりです。Aさん』
どうしたんだろう…?そう思いつつも会えたことに喜びを感じていた。
少しだけ喋った後、彼女は図書室に行こうとした。
彼女は教室に行かなかったことを後悔した。
聖奈『えっ…Aさん…A組じゃないの…?』
生徒会室からこぼれ落ちた言葉を彼女は聞き取ってしまった。憧れはまさかのエンドのE組。憧れまで自分は間違っていた。そう感じてしまった。
劣等感を抱いた彼女は、帰ることにした。
しかし、彼女は山の方へと行った。
自分が恐れている"アレ"が近づいていたのに気づいて。
自分をどん底にもう一度落とす気なんだ。そう思っていた。
彼女は心から怯えていた。でも、誰を頼るか頼るべきなのか理解できなかった。彼女は頼ることを学ばなかったから。
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霧絵(プロフ) - クロノトさん» コメントありがとうございます!感謝です!!いずれカゲは出す予定なのでお楽しみに!夢主をこれからどうするか私は今それで頭がいっぱいです… (2022年11月23日 13時) (レス) id: 2c75a7bc4e (このIDを非表示/違反報告)
クロノト(プロフ) - 夢主苦しい立場に居るなぁ… 影浦とかとは普通に仲良く馴れそう (2022年11月23日 12時) (レス) id: 3be08e9739 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:霧絵 | 作成日時:2022年11月5日 11時