チャンピオンの兄は元チャンピオン

痛み ページ5

スグ「ようやく戦える」
『スグリ…？』
スグ「やっとアオイと…次こそは負けない、絶対に！」

俺はスグリに手を伸ばそうとした…だがそこには俺が知っているスグリがいなかった
…強さに囚われた獣のようだった、俺は初めて周りからのスグリが変わったと言われた理由を知った
…なんで分からなかったんだろう…いや分かろうとしなかった
だからといって俺まで態度を変えたら…スグリが1人になる

スグ「俺もう行く」
『…』

俺は無言でスグリの頭を撫でた

スグ「兄ちゃん…」
『ごめんな…頼りない兄で』
スグ「…兄ちゃんはいつも強くて…弱音を吐かなくて…俺の憧れだった…こんなの兄ちゃんじゃない」

スグリがそういった途端…俺はものすごい激痛に襲われた

『うっ…』
スグ「兄ちゃん…！」
『後遺症の痛みだから…スグリは心配しないで…すぐに治るから…(ニコッ』
スグ「…ｯ…薬！薬は！！」
『…教室の鞄の中』
スグ「ここからじゃ間に合わない…」
ゼイ「…A！」
スグ「姉ちゃん」
ゼイ「…薬を渡すからアンタはどいて」
スグ「…」

薬を飲むと…痛みが段々とひいていく感じがした

『ありがとう…ゼイユ…それにスグリも』
ゼイ「私がいなかったらどうしてたのよ！」
スグ「…もう行く」
『気をつけてな』
スグ「…少しは自分の心配したら？」
ゼイ「アンタ…！」
『いいよ…ゼイユ』

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