チャンピオンの兄は元チャンピオン

数ヶ月後 ページ2

スグリがチャンピオンになった
人格も変わったといわれてるらしい

タロ「…Aくん」
『…タロ？』
タロ「大丈夫？さっきからボーッとしてたけど」
『…俺が怪我なんてしてなければ…何か変わってたのかな』
タロ「…それは」
『そろそろ約束の時間だから行くよ』
タロ「あ…うん」

怪我をしてから誰も信じれなくなった…怪我をしたのは偶然じゃないと知ったあの日から


数年前
俺は入学してすぐに四天王、チャンピオンを倒した…そのせいで妬まれることがあった
ただその奴ら全員ポケモン勝負でボコボコにした…

スグ「兄ちゃん…わやかっこいい！」
『…スグリもなれるよ』
ゼイ「いつか絶対に倒してみせるから…私が入学するまで負けたら許さないから！」
『あぁ…いつでも待っているから』

俺がチャンピオンになってもスグリとゼイユは変わらず接してくれた…それが俺の唯一の救いだった

俺は毎日幼なじみと通話をすることが日課だった…幼なじみの名はタロ、可愛いものが好きな子だ…タロもそうだな…変わらず接してくれた

タロ「…Aくん！！」
『タロ…』
タロ「びっくりしましたよ…Aくんがもうチャンピオンになっているって聞いた時は…」
『余裕だったよ』


数ヶ月後
俺はいつも通りエリアで野生のポケモンと勝負していた
天気も良くて絶好のポケモン勝負日和だった
…はずなのに…

『…ｯ!』

俺は土砂崩れにあった
俺のポケモンたちは何も動けなかった俺を庇うようにしがみついた

目を覚ますと体が動かせなかった

スグ「兄ちゃん！！」
ゼイ「…A」

「スグリ…ゼイユ…？」そう声を出そうとしても出せなかった…そして辺りを見渡すと傷だらけのルガルガンしかいなかった

『…！』

俺のせいだ…俺が注意してれば
俺だけ怪我をしていれば…

ゼイ「言っとくけど…アンタのせいじゃない」
スグ「うん、兄ちゃんのせいじゃない」

泣きそうな声でスグリも同意する
…優しいな…けど甘えちゃいけないんだ
俺はこれからもずっとこの罪を背負わないといけない

『…ごめ…ん、なさい』
必死に声を出して泣いて…自分を憎んだ

ゼイ/スグ「…」

ゼイユとスグリは何も言わず抱きしめてくれた


俺は完全にとはならないが歩ける程度にはなった…そこからリハビリをして退院出来ることになった…俺の手持ちポケモンはルガルガンだけだ…こんなじゃチャンピオンにはもういられない…もう戦いたくないそれが俺の本心だった
俺はチャンピオンを辞退した…

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