皆に裏切られたんで消えますね【文スト×刀剣乱舞】

第二十六話 ページ31

探偵社前___


嫌だ。本当に嫌だ


だが行くしかない。お世話になってる政府の役人達にも私情で迷惑を掛けたくない


「大丈夫ですか主殿？」


鳴狐の本体は刀剣に戻り俺の手元にある


お供の方は肩乗って何時もの鳴狐の様なっていた


「大丈夫。鳴狐も居るんだからさ」


何かあれば速攻で逃げる


頬を叩き、探偵社へと入っていった


「……主……」


人の姿に戻った鳴狐はそうポツリと呟いた


ｶﾞﾁｬﾝ……


エレベーターは四階で止まり、扉が開く


はぁ……憂鬱な時間が始まる


見慣れた探偵社のドアを開け、中へ入った


全員が目を円くし、俺を見ている


いや、皆が見ているのは鳴狐の方かな？


「お久しぶりですね。社長」


「……あぁ……」


「これから宜しくお願いいたします」


急な他人行儀な言葉に驚いたのだろう


あの社長でも驚いている


オフィスの机は何時も通り太宰の隣だった


「……藤呀……」


「宜しくお願いしますね。太宰さん」


「！？……もう治とは呼んでくれないんだね……」


そんな顔したって無駄だ


くりちゃんじゃ無いけど、馴れ合うつもりはそうそう無い


「主殿！鳴狐がお手伝いをしたいと申しております！」


「え？じゃあ、今週の戦績表書いてくれるか？」


「うん……分かった……」


わ、笑ったぁぁぁぁぁ！


うん。可愛い


よし、気合い入れてこの地獄を脱するか！

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