センター決め ページ7
今日はいよいよツカメのセンター決め。
撮影した映像を練習生で見て決定するみたいだった。私はセンターになりたい気持ちだけで練習して、撮影もしたけど余裕さが無かったのかなと今になって反省している。
映像が流れる。
やっぱり、蓮くんが一際輝いて見えた。センターに立つべき人は、きっと私じゃなくて蓮くんだ。
そう感じた私は投票する時に「川尻蓮」と名前を書いた。
集計が終わり、候補として映し出されたのは
豆ちゃん、優心くん、蓮くん。……そして、私もその中にいた。候補に入れるとは思っていなかったから単純に嬉しかった。
そして、センターに選ばれたのは蓮くんだった。
「おめでとうございます」
川尻「っ…ありがとう…」
悔しかったけど、それより蓮くんがセンターになったことが自分のことのように嬉しかった。私より技術があって、質問したらすぐに答えてくれる彼がセンターで安心した。
「……悔しいな」
景瑚「Aも頑張ってたよ」
「…景瑚くん、ありがとうございます」
景瑚「Aはどこにいても輝けるから大丈夫」
"どこにいても輝ける"
景瑚くんからもらったこの言葉が嬉しくて、何度も何度も自分の中で咀嚼する。
「…景瑚くんは、私が喜ぶ言葉を知ってますね」
景瑚「ほんと?よかった」
「さすがです」
景瑚くんの言葉のおかげで、意外とすぐに立ち直ることができた。
でも、不安になった。
ずっとそばで練習してきた蓮くんが一気に遠くに行ってしまったように感じた。
「……」
川西「…どうしたん」
「拓実くん…」
川西「え、ほんまにどうしたん?」
「…なんか、蓮くんが遠く感じてしまって」
川西「追いつくんやで。遠いと思ったら追いつくしかないやんか」
強くそう言う拓実くん。確かに追いかけて追いかけて、追いついて、いつか追い抜くくらいになれたらいい。そのための試練なんだと思った。
「……ありがとうございます、拓実くん。いつか追い抜けるくらいの力つけなきゃですね」
川西「無理はせんといてな?」
きゅるん、と効果音が付きそうな上目遣いでそう言ってきた拓実くん。なんかあざとい。
「…はい」
でもあまりにも可愛くて、拓実くんにあざとい!とは言えなかった。
川西「頑張ろうな」
「もちろん」
ギュッと手を握って、二人で約束した日だった。
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想来(プロフ) - 欅坂時代からのオタク兼JAMの私からしたら最高すぎるお話です、、! (12月26日 13時) (レス) @page7 id: 5b3cd15d7a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:てん | 作成日時:2023年12月25日 0時