きみを好きになって～S・O～２ (ページ48)

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「おいら、自分のいる世界を否定はしないけど、周りにいるキレイなひと見てもなんも感じないんだよね。
キレイだなとか可愛いなとか思うけど、それだけ。」

智くんがここまで自分の内側を言うのっていつ以来だろう・・・。

「若い頃はさ、おいらもそれなりだったけど、最近はね・・・。
だから久しぶりでびっくり。
今までとまったく違うタイプで二度びっくり。」

智くんがやわらかく笑った。

今なら聞いても答えてくれるかな。

「最初から智くんの事気づいてた？」

「ん、二回目に会った時言われた。
いつも朝会ってたから、プライベートでしょって言われたかな。」

「彼女のどこに惹かれたの？
確かに智くんのタイプとは真逆だよね？」

必ず聞かれるってわかっていたみたいに、答えはすぐ返ってきた。

「・・・Aの良さは一回会っただけじゃわかんねぇと思う。
つき合う前にさ・・・一般常識を・・・覚えた方がいいって言われたことあんの。
・・・女の子にそんなこと言われたの・・・初めてでびっくりしたけど、イヤじゃなかったんだ。
・・・結構はっきり言われたんだけどね。」

無口な智くんが、饒舌になった。

「そう。」

余計な言葉を挟まず、先を促す。

「会えない日が続いたら・・・会いてぇなぁって思うようになった。
ドラマやってて、きつくて・・・そんな時思わず電話かけて・・・頑張ってて言ってもらったりしてさ。
彼女の・・・お帰りとかいってらっしゃいとか・・・何でもないような言葉がさ、胸ん中に・・・ストンって入ってく。
これは外見じゃないなって思った。」

「そういえば、智くんへの伝言も頑張って、だったかな・・・。」

「えー、翔くん聞いたの？
ずりぃな・・・。
・・・まぁ、翔くんには背中を押してもらったから、許してやるよ。」

はぁ？
なんかした？

照れて鼻をかく智くんを見つめたまま固まったおれ・・・。