休日なのでアジト行こうとしたらショタがいた ページ2
『プリンが知らんプリーン!』
つまらん。
『ただのダジャレかい!!』
つまらん。
『まだあんで!ストーブが──ブチン』
非常につまらん。
お笑いツクールなんて動画サイトを見つけて、しばらく徘徊していた私だったが、とても見れたものじゃない。新喜劇見て出直してこい。
ご飯食べ終わったし、両親は仕事だし、勉強は面倒臭いし…。
そうだ、アジト行こう。
お着替え中…
よし、渾身のこーでぃねいとだ。財布と携帯あればいいよね。ポケットに入れてと…。
財布と携帯をポケットに突っ込むと、私は自分の部屋を出て、一階へと続く階段をドタドタ音を鳴らして降りた。
「行ってきまーす、いってらっしゃ〜い」
…この歳で一人芝居は痛いか…。
鍵閉めて、と。
タッタッタッ
しばらく歩いていると、道が広くなって、信号が見えてきた。右に曲がれば近道、まっすぐ進めば遠回りだ。時間はたっぷりあるし、まっすぐ進んでみよう。
そのまま渡ろうとしたが、信号が変わってしまった。仕方なく信号が青になるのを待っていると、
「にゃーん」
という呑気な鳴き声が聞こえてきた。
咄嗟に辺りを見回すと、反対側の道路に黒猫がいた。
黒猫は、ミステリアスな感じがあって私が大好きな猫だ。
可愛いなぁなどと考えていると、一台の軽トラが前を横切った。
一瞬のこと。そう、一瞬のことだ。
しかし、その一瞬がすぎると、私は固まってしまった。
そこには、猫の代わりに、“全身真っ青の男の子"がいたからだ。
髪の毛も、服も、靴だって青い。
そこ男の子は地面に座っていて、俯いていた。
冷や汗がたらりと私の頬を撫でた。
と、タイミング悪く、信号が青になってしまった。
怖いが、進まなければ…、そう自分に言い聞かせて一歩踏み出した。
一歩、二歩、三歩…
短い横断歩道だったのですぐに渡り終えてしまった。
そのまま行ってしまおうかとも思ったが、男の子が私の足をきゅっともったのだ。
振り払うのは流石に可哀想ではないか…。
良心がそう訴える。
「ど、どうし…」
そこまで私が言いかけたところで、男の子は顔をガバリとあげ、こう言った。
「僕の親友を、助けてください!!」
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ナナモン - 面白いです!続き楽しみにしています!! (2015年1月6日 18時) (レス) id: a938c0aa8e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ウーロン茶 | 作成日時:2014年11月26日 3時