はじめに行いありき５ ページ10
＿＿
「ていうか何で私のこと調べてるの！？私が知りたかったのはクロ…って、お前見てないよな！？見てないよな！？」
『いや、その…見て、ない…』
「何でそんな歯切れ悪い上そっぽ向いてるんだ！私の目を見て話せ！」
即座にＴシャツを着てクレイジーに文句を言い付ける。クロ…、お前見てたら戻ったとき覚えておけよ…、記憶を抹消してやる…っ
するとクレイジーはボールペンを持ったまま、「うしろ」と短く呟き、私達の背に聳える本棚を指差した。え、まさかこれ全部吸血鬼について、的な？
「御国は本が好きなンだよ」
「いやー、好きすぎでしょ…。私は漫画ぐらいしか読まないのに…」
とりあえず適当な本に指をかけ、本棚から出そうとする。すると、ゴトンッ！、と。後で何かが落ちる音がした。バッ、と反射的に振り返るとクロが机から落ちていた
そして、コロコロとしばらく床を転がる。私には、それがまるで何かを知られたくないような気がしてならなかった
本から手を離し、クロを拾う
「ねえ、クレイジー。どの本にもクロを戻す方法はないのかな？」
「ああ？…最近の子は人かウェブで訊けば、なンでも教えてもらえると思ってやがる」
「え。何かごめん。でも実際そんなもんだよ」
「俺はそンな甘くないよ。全部読ンでみたらー？」
「何週間本に囲まれればいいんすか」
毎日毎日本本本本…。せめて漫画ならば充実したものを…。私の集中力じゃ無理だよ、そんなもの。思わず想像してゾッとする
しかも殆ど分厚そうじゃないか、マジでこれ吸血鬼についてなの？案外秘匿ってわけでもない？随分と昔から語られていたってことなんだよな、これ
するとクレイジーは、「と言いたいところだけど」、と続けた
「俺もそンなに過去の記録に興味はないから教えてあげよう」
「ないね、俺の知る限りでは」
最早絶望しか残らない
「……はあ。じゃあ、さ。クレイジーって何で吸血鬼の研究してんの？みたところ、主人でも、ましてはサブクラスでもないっしょ」
「…小舟に乗っているンだよ」
＿＿
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 213人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
沖田御園 - 志吾さんお帰りなさい!!（≧∀≦）新章突入しますね!!(*´Д`*)楽しみにしてます!!(*´Д`*) (2016年1月19日 1時) (
レス) id: 8b2db38c7a (このIDを非表示/違反報告)
虚飾or真実 貴方はどっち? - 次から新章だぁｳｪｰｲ↑↑…おわかりでしょうか自分『虚飾or真実 黒or白 貴方はだぁれ?』でっす☆ｼｬﾗﾗ地味に改名しました！志吾さん吊リヒ派かぁ〜こないだ初めて読んだけど凄く良かったなぁｼﾞｭﾙﾘリヒたんめっさ可愛い！現実にいたら襲いs(( (2016年1月18日 22時) (レス) id: 3428897acf (このIDを非表示/違反報告)
志吾@新作ネタボードに投下中(プロフ) - ミクミクさん» ありがとうございます！返信が遅れてしまい、申し訳ございません！ご期待に答えられるよう、精一杯頑張ります！ (2016年1月18日 20時) (レス) id: f062d4abc7 (このIDを非表示/違反報告)
志吾@新作ネタボードに投下中(プロフ) - 虚飾or真実 黒or白私はだぁれ？さん» ただいまです！遅くなってしまい、申し訳ございません！私は吊リヒ派です、全力で吊リヒを推します！ (2016年1月18日 20時) (レス) id: f062d4abc7 (このIDを非表示/違反報告)
ミクミク - この小説面白くて何回も読み返しています！連載これからも頑張ってください 夢主ちゃんカッコ可愛いよ！ (2016年1月3日 20時) (レス) id: 7905ae7e8a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
