はじめに行いありき１ ページ6
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骨董品屋というか、雑貨屋かな
というのが、店に入ってから最初の感想。店主が店を開けているためか店内は薄暗く、商品棚は綺麗に整頓されていた
あ、これクランツさんの持ってた聖水。ミーミルねえ。流石に吸血鬼関係者じゃなきゃ買わないわな
「えっと、クレイジー。ここは御国さんの店で合ってますかね」
「御国なら留守だよー。留守じゃないときのほうが少ないンじゃない？つーか君は初対面の人になんてあだ名で呼ンでるのかなー？」
しまった第一印象が反映した
そんな心の声を思いっきり表情に出して、ハッ、としていると、背を向けているクレイジーから「まあ、どうだっていいンだけど」と返ってきた。案外気にしないのか
「えっと、それでクレイジーは御国さんのお友達的なやつですか？」
「俺があいつの友達？きっも」
「ああ、わかる気がする…」
だってあの人形偏愛だもんな…。でも、御国さんだって色々抱えてたんだよな。御園を、守るために。あー見えて結構お兄ちゃんなんだな、何か腹立つ
クス、と少し口角を上げながらそんなことを考えていると、クレイジーはストローをくわえながら私に問い掛ける
「君は…えー…、御国の下僕かなにか？」
「下僕！？いや私はどちらかと言えば主人で…あ、いや。知り合いです、知り合いの城田A」
「＿＿はあ、それでその佐藤遥くんは…」
「誰がくんだよごらあ！城田！A！！黒髪ストレートが自慢な超絶かわいい美少女です！決して男じゃねえよ！！」
球の中のクロが心底驚いた表情でこちらを見てきたから無性に醤油を投げたくなった。そして服に染み付いて落ちなければいいと思う
私がハキハキと叫んだ名前を復唱すると、クレイジーはガサガサガサと積まれた紙切れの資料の山から、何かを探し、見つけたかと思うと＿
「ようこそ俺の研究室へ！！！」
先程とは別人な、イキイキとした笑顔でそう言った
「まーまー座って山田カケルくん！！」
「女！名前は千歩譲って許すけど、せめてちゃんをつけろクレイジー！！」
『随分と譲るなお前…』
球体のクロがそう呟く。だって、山田カケルって男の名前じゃないか！何なんだこの人は！そんなことを心の中で叫んでいると、トンっ、と押されて無理矢理イスに座らされる
そしてビーカーにお茶を注がれた。マジでいたんだ、こういうマッドサイエンティスト感溢れる人
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