【SERVAMP】 平凡系女子な私が吸血鬼と契約したのであるが平和ボケだったんで突然抗争が起きることになると一帯誰が予測しただろうか←

＿＿�鵺＿＿ ページ36

＿＿




「心配だ」




ほっといてくれよ。不器用な顔を作るまだ幼さの残る顔立ち。人間の少女、城田Aは毎回毎回、飽きもせずにオレに話しかけてくる

こいつはクラスの中心にいる方だ。決して友達がいないわけではない。だけど、気づけばオレの隣を付いて回っている





「ほっとけよ、オレは一人がいいんだ」





そうとだけ言い放って、ヘッドホンをつけて音楽を耳に流した。流麗なメロディがあいつの言葉を掻き消す


そう、これでいいんだ

吸血鬼が人間と触れあえば必ず情が湧く。必ず来る、別れが辛くなる。同じときを過ごせない運命なのだから。それならば、叶わない夢を願うならいっそのこと

そう思って自分から一人を選んだ




それなのに＿＿






「誰だって、一人は寂しいと思うけどなあ。私は、自分がその出来事から忘れ去られてたら悲しいよ」






それが、吸血鬼(オレら)なのに






「それにさ、ほっとけない。って理由だけじゃ、お前と友達になろうとしたらいけないわけ？」






お前が見せた色めいた笑顔が離れなくて




炎天下の夏も、紅葉の秋も、雪が降った冬も。そして桜の散った春も。あいつと、Aと過ごせた一年はオレにとって、夢のような過去の話

１度だけ、静かに息を止めた。脳に焼き付いたあの笑顔を、より鮮明に思い出すかのように






『大丈夫。桜哉

＿＿＿＿一人じゃないよ』




＿＿

＿＿�鶚＿＿→←【ロスタイムメモリー】

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す