【ロスタイムメモリー】 ページ35
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「何で、オレに構うんだよ」
「ほっとけよ、オレのことなんか」
その言葉、もう何回目なんだろ
私はお前と繋がりを持とうとするんだけど、お前はすぐそれを切ろうとするよね。一人が好きなのかな。そう考えたこともあるけど。やっぱり……
だって、ほら
「ほっとけない」
私はひとりぼっちがどれだけ悲しいか知ってるから
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【ロスタイムメモリー】
・桜主でロスタイムメモリーのパロみたいなもの
・chihiro@さんリク
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「はあー……」
真夜中の2時。何故だか目が覚めてしまった私は、暗い部屋の天井を眺めていた。月明かりが微かに部屋を照らす
月明かりに反射して青白く光る、ネックレスを手に取った
「桜哉」
お前は今何処で何をしているんだ?
会いたいなあ、また話したいな。……巻き戻って、くれればいいのに。頭の中に巡る思い出を、懐かしむように浮かべながらクスリ、と笑みを浮かべた
今日も私の隣に桜哉はいない。前までは私の隣には桜哉がいた。私の親友は桜哉だ。それが隣にいないのは、やっぱり何処か苦しい
「今日、学校行ったら桜哉がいないかなー……」
なんて、あり得もしない希望論を唱えてみたり。望むくらいはいいじゃない。聡明じゃない私は、暇があればそんなこと考えている
うん、馬鹿だな。そんなことしたって、動き出した歯車は止まらないじゃないか。桜哉は戻ってこれないじゃないか
私と桜哉の記憶は、もうそこで止まってしまっていて
脳裏を焦がすように焼き付いて離れなかった、桜哉の笑顔を思い出しながら。ネックレスを力強く握った
「また、遊ぼうな。桜哉」
また馬鹿みたいにはしゃごう。紹介したい奴もいるんだ。桜哉ならきっと、仲良くなれるよ
丁度よく回ってきた睡魔に紛れて、その願いは意識の中でユラユラと揺れていた
『元気出せよ、A。一人じゃねーよ』
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