【SERVAMP】 平凡系女子な私が吸血鬼と契約したのであるが平和ボケだったんで突然抗争が起きることになると一帯誰が予測しただろうか←

【怠惰フィーメイル】 ページ27

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息を、呑む

冷や汗が頬を伝う。目の前に映るのは、存在が非現実的なクロでさえも驚く程に、あり得ない光景だった。はたから見れば、特に変わった様子などない。一人の少女が立っている

微かに窓から入る風に遊ぶは優雅な黒髪。浮き出た鎖骨からスラリと伸びる曲線は、少し力を入れれば折れてしまいそうに華奢である。顔は整えられているものの、それには何処か、目立たせない平凡さが宿っていた


そう、目の前に立つのはクロの主人、城田Aだった。Aは妙に色っぽい桜色の唇を微笑みに変え、クロを見つめている

そしてクロは、そんなAを見て未だ戦慄をしたまま、渇いた喉から声を絞り出した




「……お前、誰だ？」




そんなクロの言葉を、聞くと。一瞬目を丸くして、クスクスと笑みを溢した




「可笑しなこと、聞くね？城田Aだよ」




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【怠惰フィーメイル】

・咲月さんリク

・クロ主のお話


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可笑しい

朝起きて、Aを一目見たときから思った。あり得ない、のだ。明日は槍が降っても、隕石が降ってきても、「いい天気だな」と流せる


目の前には、それ以上の光景が広がっているのだから




「クロ、おはよう。ごめんね、今ごはん作るよ」




そう言って、ニコ、と優しげに笑うのは＿＿“かわいらしい”エプロンを身に纏っており、唯一の女子力の黒髪を“水玉のシュシュ”で纏めている、あの城田Aなのだから

無論。似合う。顔は整っているし、いくら生身壊滅的と言えど、容姿は女子だ。だけど見慣れなさすぎか、男子が女子の服を着ている違和感が頭を支配する


＿＿城田A。自分自身でも自称するほどの男勝りと口の悪さ。故に、女子力永遠の０。これは常識であり世界の鉄則、法律と言っても加減ではないし、そろそろウィキペディアやニコニコ大百科にも載るのでは、と首を傾げていた

それが、明らかに女子女子している





「血迷ったのか……。それとも別人格か……」




精神科に付き出した方がいいのか＿＿いや、もうあれは助からない。ぐっ、と拳を握る。アイツがあんなに思い詰めていたなんて……、気付いて、やれなかった……っ、みたいな雰囲気である

A、と呼ぶにも抵抗を覚える事態だ。あれがAのわけがない。女子である。男子でも第３の性別Aでもない。どこからどう見ても




「女子……だな」




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＿＿�鵺＿＿→←＿＿�鶤＿＿

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