【NARUTO】九喇嘛と少女４

187 陽だまり ページ43

寝室のベットの上で、パチ、と目を開ける。


寝起きでぼーっとする頭で、
ふと布団のすぐ横側を見つめていた。


カカシ「(なんか、すごく長い夢を見てた気がする)」


夢なのか現実なのか、輪郭がぼやけている
そんな曖昧な記憶が今も頭の中に残っている。


確かにそこに残る温もりはそのままに、
でも手では消して掴むことの出来ないもの。


ぼんやりと昔のことを考えながら、
また叶うはずのない妄想を繰り返している。


カカシ「(かなり応えてるね…どーも)」


サクラとの約束を思い出した俺は
体を起こしてすぐに出かける準備をする。


ガタン、と音がした後ろを振り返ると
ベットの上の観葉植物が傾いている。


手で元に戻してやると、
それはAに貰ったものだったな、と懐かしむ。


カカシ「(まさかナルトとお祝いのプレゼントが
被るとはね…あの時は笑っちゃったな。)」


横にはAとナルトが笑顔で写る写真。


カカシ「(俺が撮った写真、2人とも幼いな。)」


洗面所に向かうと、Aが何故か付けた
飛来神のマーキングが目に入る。


カカシ「(何しても落ちなくて俺が怒ったやつ…)」


俺は部屋の真ん中で呆然と立ちすくむ。


ここにはAの面影がありすぎる。
どこを見ても、何をしていても、Aを思い出す。


俺はどうしようもない気持ちに苛まれた。


早く支度を済ませないと、
またサクラに遅いって怒られるのにな…。

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