【NARUTO】九喇嘛と少女４

158 繋ぐ想い ページ14

イタチ「木の葉の上役からも…命を狙われているのですか。」


『でもまぁ、もう関係の無いことですよ…
昨夜里を抜けてしまいましたし。』


そう言ってもイタチさんは口篭る。


イタチ「…俺はAを木の葉へ返した。
それがAにとっての1番の幸せだと思っていましたが、かえって迷惑なことをしてしまった。」


驚いてイタチさんを見ると、
とても悲しそうな表情で俯いていた。


『いえ、1番の幸せでしたよ。』


イタチ「…っ」


『とても幸せでした。イタチさんのお陰で。
だから今日、ありがとうと伝えたくて。』


私は迷いもなくそう言った。
イタチさんには感謝しかないのだから。


イタチさんの瞳が、赤く照った気がした。
イタチさんはその目を閉じて、微かに微笑む。


イタチ「そしてもうひとつ、
Aに隠していたことがありました。」


『え？』


イタチ「さっきは奇遇だと言いましたが、実はずっと、木の葉に行ってから俺の鴉を付けていました。
だからAがここに向かっているのも分かっていました。」


『え、えぇ…』


本当に背後の木陰から1匹の鴉が飛び立つ。


イタチ「Aに身の危険が及べば、すぐに知らせるようにと教えていたのですが、Aが全て蹴散らしてしまうので出番はありませんでした。」


『ふふ、よかったです。』


私は咄嗟にそう言って笑う。
それにしてもそれに気づかない私はどうかしている。

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