【NARUTO】はたけカカシの幼馴染は...？ (ページ35)

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「菜種イズモ、お前の父親だ。」

空気の流れが、一瞬だけ、止まったような気がした。

「菜種イズモ…」

私はその名前を1度だけ聞いたことがあった。

▷▷▷

『ねえねえ、なんで私にはお父さんがいないの？』

ミズホ「んー、Aには関係ないことよ」

母は私が父親のことを聞くようになっても、父のことを語ろうとはしなかった。

頑なに話題を逸らして、すり替えて、
どうにか父のことを私に隠し通して、私と父を近ずけまいとしていたように思えた。

『だって、カカシにお母さんがいないのは、死んじゃったからなんでしょ。私のお父さんは生きてるの？今はなにをしてるの？』

ミズホ「…気にしなくていいの。」

私はこの時期、どうしても父親の事が気なって仕方がなかった。

街を歩けば、父親と遊んでいる自分と同い年くらいの女の子がたくさんいたからだ。どうして私はそれが出来ないのか、理不尽さを感じていた。

『ねえお母さ＿＿』

母がどんどん暗くて冷たい表情になっていくのは、幼いながらも気づいていた。それでも私は食い下がった。

今思えば、ここでやめておけばよかったのに。

▷▷▷

「菜種イズモ」と、名乗る私の父親はナルトを見るやいなや目を丸くした。

イズモ「お前そいつは…」

『…ナルト、ちょっと私おはなししてくるから。
いつになるかわかんないけど、また今度…ね！』

ナルト「う、うん」

ここで父親と喋るのは場違いな気がして、
ナルトに別れを告げて、父親について行くことにした。

薄暗い路地裏に落ち着くと、父親は振り返って言った。

イズモ「お前をずっと…探していた。」