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不思議に思って開いてみれば、スマホから流れ出したのはどこか物悲しくさえ感じられるような優しいメロディー。
どうやら音源が添付してあったらしい。
ずっと聞いていたくなるほど美しい旋律だったが、客がほとんどいないとはいえここは一応公共の場である。Aは慌てて停止ボタンを押した。
『ご、ごめんなさい！仕事用の音源かな……』
「いえ、気にしないでください！」
しかしホールハンズにはその音源が添えられているのみで肝心のメッセージが見当たらない。もしかしたら誤送信してしまったのかもしれない。
いや、きっとそうに決まっている。レオはAを良く思っていないようだったし。
「ところでお客さん、時間大丈夫っすか？」
『あっ！全然大丈夫じゃない！ありがとうございます、店員さん！』
『ご馳走さまでした！』と叫ぶように言ってAは慌ただしく駆けて言った。
彼女は今のところ、どんなに落ち込んでいてもいただきますとご馳走さまを欠かしたことがない。店員としてはそれが何だかとても好印象だった。
せっかく相談なんかしてくれたんだから、時間のことなんか伝えなきゃよかったな……なんて思いつつ、店員が思い出すのはAが呟いた人の名である。
彼女は『月永レオ』と言った。それがあの通知の送り主だったのだろう。
この店員は基本的に食事にしか興味がない。中学の頃の渾名はカービィだし、食欲という概念の擬人化なんじゃないかとよく言われる。三大欲求のうちの肉欲と睡眠欲が欠落していて、食欲だけで動いてるなんて噂があるほどだ。
そんな彼でさえ、その名前を知っていた。月永レオという人間はそれほど有名だったのだ。
彼女はそんな彼からメールをもらっていた。それも仕事用の。
それって、それってつまり……
「(あの子、実はスーパーアイドルなのかも……！！)」
だって、あんなに暴力的なまでに美しい人間他に知らないし。月永レオから曲が送られるっていうことはそうに違いない！
と、女性アイドルに疎い店員はあらぬ方向に誤解した。
“見た目は傾国、中身は狂人、歌う姿は飢餓状態のブラキオサウルス”とまで言われるAが、先日あんずと行ったカラオケで奇跡の9点を叩き出したAがアイドルなんて天と地が逆さになってもありえない話だが、そんなこと露も知らない店員は見事に誤解した。
こうしてA自身のあずかり知らぬところでも、勘違いは加速していく────。
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紅鮭(プロフ) - 蘆花さん» 温かいお言葉ありがとうございます！！蘆花さんの琴線に触れたようで何よりです……！石が尽き次第戻ってくるので気長にお待ちください🫶🏻 (3月29日 9時) (
レス) id: cc18d6b067 (このIDを非表示/違反報告)
蘆花(プロフ) - うわぁぁぁぁ…レオくん…レオくんッッッッ！！！もー…レオくん…としか言えない…！素晴らしすぎです！更新、ほどほどに待ってます！ (3月28日 21時) (レス) @page35 id: bf60b993eb (このIDを非表示/違反報告)
紅鮭(プロフ) - らむさん» ありがとうございます！！そう言ってもらえて嬉しいです！頑張ります！ (3月8日 21時) (レス) id: cc18d6b067 (このIDを非表示/違反報告)
らむ(プロフ) - すっごい面白くて引き込まれました…！更新頑張ってください…！ (3月7日 18時) (レス) id: af9a9b1d28 (このIDを非表示/違反報告)
紅鮭(プロフ) - ペネロッペさん» わーっ！コメントありがとうございます！！ペネロッペさんの言葉を励みに頑張ります👊🏻❤️🔥 (1月3日 21時) (レス) id: cc18d6b067 (このIDを非表示/違反報告)
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