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『！これって』
受け取る手は少し震えていた。
だが同時に違和感にも気づく。見当たらないのだ。今朝確かについてしまったはずのコーヒーのシミが、どこにも。
『あの、これどこで』
「あーんずっ！」
言いかけたAの言葉を遠方から駆けてきたスバルの大声が遮る。その後ろには北斗に真緒、真の姿もあった。
Trickstar大集結である。
「ほっちゃん今帰りか？悪いな急に来て。あんずに聞きたいことがあったんだ」
『聞きたいこと？』
首を傾げるAに対し、あんずの背中に冷たい汗が流れた。寒さ故ではない。嫌な予感が故のものである。
そしてそういう時の予感というものは滅多に外れることがない。
「えッちょっと待ってみんな」
「あんず、シュシュ探してごみ箱漁ってたって本当！？俺、流石にごみ箱はまずいと思うな〜！」
「待ってって言ったのに！！」
あんずは思わずあ"あ"あ"あ"〜ッ！と女子高生が普通絶対出さない声を出して崩れ落ちた。
だって、今のでばれた。彼女の宝物がごみ箱に捨てられていたということが彼女にばれてしまった！！
あんずがそう絶望する一方で……Aはじっと先輩のことを見つめていた。
ごみ箱を漁ってた？この、綺麗で可愛い、人とか殴ったことも脅したこともなさそうな、野に咲く花みたいな人が？
……自分のために？
そう思うとなんだか胸に込み上げてくるものがあった。
Aはこんな気持ちになることは生まれて初めてだったのでよく知らなかったが、それは一般的に言うと感動というものだった。
「待ってごめん弁解させて。弁解？いや違うな、なんて言うの？」
「あんずが三点リーダー使わずに喋ってる！！」
「TikTokにあげたらバズるかもな」
「ちょっと男子！静かにしてて！」
Trickstarも空気が読めない訳ではない。
むしろあんずがこれ以上ないほど緊張していることに気がついて敢えて茶々を入れているのだ。彼らと彼女は友達なので。
それを見てAは思わず、
『……いいなぁ』
と零した。
蚊の鳴くような小さな声だったが、五人の耳には確かにその音は届いた。
ここにいる五人は誰からも踏み躙られた小さな声をかき集めて革命を起こした五人である。届かないわけがなかった。
『あっ、いやその』
「……いいよ。話して」
優しく先輩達にそう言われて、Aは『んあ』とか『あぅ』とかちっちゃな鳴き声みたい声をあげてモゴモゴしながらちょっとずつ喋った。
言い訳するみたいに、喋った。
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紅鮭(プロフ) - 蘆花さん» 温かいお言葉ありがとうございます！！蘆花さんの琴線に触れたようで何よりです……！石が尽き次第戻ってくるので気長にお待ちください🫶🏻 (3月29日 9時) (
レス) id: cc18d6b067 (このIDを非表示/違反報告)
蘆花(プロフ) - うわぁぁぁぁ…レオくん…レオくんッッッッ！！！もー…レオくん…としか言えない…！素晴らしすぎです！更新、ほどほどに待ってます！ (3月28日 21時) (レス) @page35 id: bf60b993eb (このIDを非表示/違反報告)
紅鮭(プロフ) - らむさん» ありがとうございます！！そう言ってもらえて嬉しいです！頑張ります！ (3月8日 21時) (レス) id: cc18d6b067 (このIDを非表示/違反報告)
らむ(プロフ) - すっごい面白くて引き込まれました…！更新頑張ってください…！ (3月7日 18時) (レス) id: af9a9b1d28 (このIDを非表示/違反報告)
紅鮭(プロフ) - ペネロッペさん» わーっ！コメントありがとうございます！！ペネロッペさんの言葉を励みに頑張ります👊🏻❤️🔥 (1月3日 21時) (レス) id: cc18d6b067 (このIDを非表示/違反報告)
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