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彼女は気丈に振る舞ってはいたものの、泣く寸前の幼子のような顔をしていた。
たくさん傷ついたのが見てわかった。
『エト、本当に何でもないんです』
嘘だ、とマヨイは口の中で呟いた。
前述の通り、マヨイは他人と話したり励ましたりするのが苦手だ。実際のところ経験が少ないだけでどちらかというと得意な方なのだが、マヨイ自身は苦手分野と認識していた。
しかし、
──────『私、貴方が芸能人になったら絶対プロデュースしてみたいですもん』
彼女のその言葉がマヨイにアイドルになることを決心させた。
その笑顔が、自分をこんな眩い世界に引きずり込んだのだ。
自分がステージに立つ。それだけでこんなにも美しく笑う人がいるのだと思うと、少しだけ自分のことを好きになれた。
マヨイにとってAは他人ではなかった。
彼女がまた笑ってくれたらと思うものの、やり方がわからなかった。
もしも本当に自分が怪人だったら。オペラ座に住まう化け物であったなら。
彼女にこんな顔をさせた奴らに報復することが出来たかもしれない。
が、礼瀬マヨイは解雇寸前とは言えアイドルである。
アイドルはスタッフの女の子の個人的な事情に首を突っ込むわけにはいかないし、報復なんて以ての外だ。
所詮は怪人のなりそこないだった。
『あの、マヨイさん？』
「あ、えっと、そのぅ……」
落ち込んだ子どもを慰めたことなんてない。
それでも懸命に言葉を紡ぐ。怪人としてではない。天使としてでもない。ただの彼女の知人として精一杯の言葉を。
「……貴女に何があったかはわかりません……でも、それでも、私の背中を押してくれたのは貴女以外いません」
新緑色の目がAを映す。
「例え貴女が人を殺していても、私は貴女の味方です」
言ってから、自分がとんでもないことを口走ったことに気づいたマヨイは土下座でもするような勢いで地面に伏す。
「って、すすすみませぇん！！失礼極まりないことを言いました忘れてくださいぃぃ！！」
『わっ！いやいや大丈夫ですから顔あげてください！あのそのほんとに』
土下座のポーズから退かないマヨイに痺れを切らし、Aは腹から声を出す。
『表を上げい！！！』
「すみませんんん！！」
そんな場面を偶然目撃してしまった斑は時代劇の撮影中かな？と思ってスルーした後、相手の女の子がどう見ても星見のプロデューサーであることに気づいて五度見した。
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紅鮭(プロフ) - 蘆花さん» 温かいお言葉ありがとうございます！！蘆花さんの琴線に触れたようで何よりです……！石が尽き次第戻ってくるので気長にお待ちください🫶🏻 (3月29日 9時) (
レス) id: cc18d6b067 (このIDを非表示/違反報告)
蘆花(プロフ) - うわぁぁぁぁ…レオくん…レオくんッッッッ！！！もー…レオくん…としか言えない…！素晴らしすぎです！更新、ほどほどに待ってます！ (3月28日 21時) (レス) @page35 id: bf60b993eb (このIDを非表示/違反報告)
紅鮭(プロフ) - らむさん» ありがとうございます！！そう言ってもらえて嬉しいです！頑張ります！ (3月8日 21時) (レス) id: cc18d6b067 (このIDを非表示/違反報告)
らむ(プロフ) - すっごい面白くて引き込まれました…！更新頑張ってください…！ (3月7日 18時) (レス) id: af9a9b1d28 (このIDを非表示/違反報告)
紅鮭(プロフ) - ペネロッペさん» わーっ！コメントありがとうございます！！ペネロッペさんの言葉を励みに頑張ります👊🏻❤️🔥 (1月3日 21時) (レス) id: cc18d6b067 (このIDを非表示/違反報告)
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