少しずつでも ページ5
「あっ、麗柱様!
お怪我でしょうか、大丈夫ですか?」
敷地内に入ると
まるで瓜二つの三人組の女の子が
心配そうに駆けつけてくれた。
いや、瓜三つか?
優しいんだな、この子達は。
俺は女の子達の頭を撫でた。
『いいえ、怪我ではありません。
心配してくれてありがとう。
しのぶさんに少し会いたくて。』
ここは蝶屋敷。
しのぶに話したいことがあったので訪れたのだ。
女の子達はすぐに
しのぶを探しに行ってくれた。
俺はここでゆっくりしてろと。
相変わらず気を使うのは疲れるな。
たまには普通に何も考えないで話したい。
まぁ、また毒でも吐いて
色々大変なことなったら面倒臭いし
俺自身も人を傷付けるのは
あまり好きではないからな。
胡「すみません、待たせてしまって。
何かご用ですか? 」
しのぶ、ここでも相変わらず敬語なんだ。
俺は君の親友だろ。
期待していた自分が恥ずかしくなった。
『はい、この前言っていたお食事の件なのですが
明後日とか空いていたりしません?
冨岡とか煉獄も居ますので
大勢で楽しいかと思って。 』
しのぶは困ったように笑った。
その笑顔から罪悪感を感じてしまった。
そんな困らせるつもりじゃなかった。
胡「すみません、
その日は確か大事な治療があって。
また今度誘ってくれると嬉しいです。」
本当に君はそう思っているのだろうか。
それさえを疑っている自分が不思議だ。
嬉しいと言ってくれているのに。
また今度誘って欲しいと言ってくれているのに。
最初で二人っきりなのは
流石に俺も良くないと思った。
彼女はまだ俺のことを思い出していない。
急に知らない男と
二人っきりになるのは怖いだろう。
この辺の気遣いは意外と出来る奴だ、俺は。
この俺の判断は最善にあったといえるな。
引かれてしまっては嫌だからな。
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作者名:もち | 作成日時:2024年3月9日 0時