あの軌跡を覚えている君と忘れた君 (ページ3)

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再びページ3

『冨岡、待たせたな。』
　

　今日は柱合会議がある。
　冨岡と一緒に向かおうと約束したのだ。
　

冨「俺も丁度、来たところだ。
　では行こうか。」

　俺たちは本部へと向かった。

　冨岡は水柱。
　そして俺は麗柱だ。

　俺たちは意外と仲が良い。
　会議がある時は必ずのように一緒に行く。

　

　「おはようございます、麗柱様！
　それに水柱様！」

　本部に着くといつも通りあの隠が挨拶してくれた。

　初めてここに来た時から
　ずっと元気に挨拶をしてくれる。
　

　『おはよう。
　今日も元気そうで良かった。』

　冨岡も挨拶を交わし
　俺たちはいつもの場所に立った。

　人と話すのは少し苦手なのだ。

　冨岡は特に口下手だが
　俺も俺でかなり大変だ。

　調子に乗って話していると
　周りに誰も居なくなってしまう。

　かなり毒舌なことを言ってしまうらしい。
　
　気を付けてる分には良いのだが。

　
　俺は木の影、冨岡は不定な誰も居ない所に立つ。

　「お館様の御成です。」

　俺たちは一斉に膝をついた。
　すると、すかさず宇髄が
　お館様に挨拶をしてしまった。

　何だか悔しい…。

耀「ありがとう、天元。

　今日から新しく柱になる子を紹介したくて。」

　柱？

　誰なのだろうか。
　
　襖の音がガラッと響き、
　そこには小柄な女の子が居た。

　「胡蝶しのぶと言います。
　今日から蟲柱を務めさせて頂きます。」

　

　しのぶ…。

　その名前は俺にとって
　聞き馴染みのある名前だった。

　まさかだとは思うが。

　俺の幼馴染だ。

　声も確かに彼女のままだ。
　顔も瞳も。

　俺はあの子だと確信した。
　あの子は俺の親友だ。

　そして花柱、胡蝶カナエの妹だ。

　『しのぶさん、で良いですか？
　これからお願いします。』
　

　俺のことを覚えてくれているだろうか。
　何年ぶりだろう。

　まさかこの様な形で再開するとは…。

胡「はい、こちらこそお願いします。
　佐野さんで大丈夫ですよね？」

　苗字…。
　覚えてくれていないのだろうか。

　まぁ、久しく会っていないのだから無理はないか。
　きっと話していく内に思い出してくれるだろう。

　『はい、佐野Aと言います。
　しのぶさん、
　今度空いていたらので良いので
　お食事行きませんか？』
　

　そう誘いに頷いてくれる君が凄い懐かしかった。