月曜日21時のヒロインⅡ【R.S】 (ページ10)

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ryuto

人の少ない映画館で、
2人で並んで映画を見る。

隣にいる綾瀬さんの横顔を見ると、
真面目な顔をしてるかと思えば
映画に合わせて微笑んだり、
少し悲しそうな顔をしてみたり。

普段見せない百面相に、
俺はまた、目が離せなくなって。

綾瀬さんに触れたい、と思ってしまった。

.
.
.

映画が終わり、席を立つ。

「面白かったね！」

綾瀬さんがニコニコしながら俺に言う。

「めちゃくちゃ面白かったですね！」

綾瀬さんに触れたい、なんて
思ってしまった自分をかき消すように
映画に集中した。

そしたら意外と面白くて、気付いたら見入っていた。

「ねぇ、作間くん、
このあとご飯とかどう…？」

まさかのお誘いがあった。

行きます、と二つ返事でOKし、
綾瀬さんがよく行くという
イタリアンを食べに向かう。

連れてこられたお店は、
一見素通りしてしまうような
隠れ家的なレストランで。

何だかちょっと緊張してしまう。

さすが、一流女優だ。

向かい合わせに座り、
少しキョロキョロしてしまう。

シェアして食べようと、
ピザとパスタ、サラダを
綾瀬さんセレクトで注文した。

料理が運ばれてくるまでの間、
映画の話になる。

「やっぱりあの監督好きだなぁ。」

「俺もです！！」

偶然にも、好きな監督が同じで、
映画の話に花が咲く。

「あ、そういえば、作間くん。」

「なんですか？」

「作ちゃん、って…呼んでもいいかな。」