月曜日21時のヒロインⅡ【R.S】 (ページ9)

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ryuto

「綾瀬さんっ！」

思わず、声をかけていた。

自分の発した声のボリュームに驚くほど。

「綾瀬さんが良ければ、
一緒に…いいですか…？」

勢いに任せて、言ってしまった。

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綾瀬さんと2人、映画を選ぶ。

まさかこんなことになるとは、
タピオカの行列に並んでる時は
全く、1mmも、思わなかった。

綾瀬さんから提案されたコメディ映画。

意外とコメディ好き？なんて思ったり。

こんなに2人で長く話すのは
シュークリーム事件以来で。

でも、何だかあの時より近づいたような。

涼しげなラフなワンピースに、
キャスケットを被る綾瀬さんは
現場で見るより柔らかい雰囲気で、

映画館のポスターを見る、
あどけない横顔から目が離せない。

「作間くんはポップコーン食べる派？」

いきなりこっちを見るから
慌てて目をそらす。

「食べる派です。」

「一緒だ！」

「「キャラメル！」」

2人の声がハモる。
お互い目を合わせて、笑い合う。

「やっぱりキャラメルだよね。」

キャラメル～♪なんて
綾瀬さんがワクワクした顔で
フード売り場に向かう。

綾瀬さんってオフのとき
こんな感じなんだ、と少しニヤけてしまう。

完璧な人だと思ってたけど、
子どもっぽいところあるんだなぁ、なんて。

可愛いな…。

作間くん～、と俺を呼ぶ声がして
追いかける。

「あ、俺が。」

お財布を出そうとする綾瀬さんを止める。
年下だけど、やっぱりここは男がいかないと。

「え、いいのに。」

「いいんですー。」

遠慮して出そうとする綾瀬さんを横目に
さっさと支払いを済ませる。

「ごめんね…ありがとう。」

「男ですからぁ。」

こういうとき、はしもっちゃんとか
スムーズなんだろうな、なんて
こんなときにもメンバーの顔が浮かぶ。

チケットの支払いも済ませて、
上映が行われるシアターへ向かう。

「ほんとありがとう…年上なのに私…」

申し訳なさそうにこっちを見る綾瀬さん。

俺より背が低いから自然と上目遣いになって、
こんな時でさえ可愛いと思ってしまう。

「いいんですー。もう言わないでくださいー。」

最初見たときはこんな綺麗な人見たことないと思った。
今では、知れば知るほど可愛い人だと思う。

隣を歩くと、何故か心臓が高鳴った。

ふとした瞬間に、手が触れると、
触れたところから熱くなる。

俺が、俺じゃないみたい。