月曜日21時のヒロインⅡ【R.S】 (ページ11)

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you

作間くんと映画を見た。

ポップコーンは2人ともキャラメル派。

チケットも、食べ物も、
男ですから、って払ってくれた。

作間くんは、人見知りな私の心に
するりと入ってきて、

変、な気持ちになった。

映画を見てるとき、
作間くんの顔をちらりと見た。

映画に集中する作間くんは
綺麗な横顔で、

大音量のはずの映画の音が、
聞こえなくなる

一瞬、世界が止まったような気がした。

手を伸ばせば届く距離、

どうしようもなく、
もどかしい距離だと、思った

.
.
.

作間くんばっかりに払ってもらったのが
何だか申し訳なくなって、

映画を見終わったあと食事に誘った。

もう少し、一緒に過ごしたいって、
頭に浮かんだのが先なのかもしれない。

行きつけのイタリアンに誘い、
キョロキョロする作間くんを
可愛いと思った。

好きな映画監督も一緒だった。

作間くんのことを何にも知らなかった。
もっと、知りたい、と思う。

こんな気持ち、知らない

「作ちゃん、って…呼んでもいいかな。」

少し驚いたような表情をした作間くんは
どんな気持ちだったのかなぁ。

「俺も、綾瀬さんのこと、

下の名前で呼びたい…です。」

慎重で、ゆっくりな、私達の時間が
ようやく動き出す。

ねぇ、作ちゃん。

私、ここで止めておけばよかった。