" Keiji_night ページ10
頭を撫でる手が心地いい。
京治は、心配そうに私の顔色を伺ってくれる。
「…すみません、大丈夫ですか?」
『ん…大丈夫、ありがと』
京治と始めてのあと。
脱力してベッドに身体を埋める私を、京治は優しく労ってくれた。
(…気遣ってくれたのは、さっきも一緒か)
行為の最中も、終わった今も
変わらず無条件に優しい彼に、思わず口元が緩む。
「…Aさん?」
『…ふふ、ごめんね。なんでもない』
言葉を濁して、京治の頭を撫でようとすると、彼は私のその手をあっさりと阻止した。
「…もうこれからは隠し事はなしです。教えてください」
『!』
そう言う京治の表情は真剣で、相変わらず大人っぽいよなぁなんて思ってしまう。
(…ちゃんと心許してくれたって感じで、嬉しいなぁ)
『京治ってほんと優しいなぁって思っただけだよ』
「…そう、ですか?」
『うん。私にはもったいないくらい』
謙遜と自嘲を含んでそう言うと、京治の青い瞳が少し揺れた。
「…そんなの、俺の台詞ですよ」
『え?…っん』
手をシーツに縫い付けられ、そのまま熱く唇が重なる。
抵抗しようとしても、それを許さないと言わないばかりにさらに深く貪られて__
『は、ぁ…っけいじ、』
「…好きです、Aさん」
余裕のない声色と " 好き " の言葉で、
じんわりと自分が満たされるのがわかった。
『…京治』
彼の身体に手を伸ばし、鎖骨あたりに唇を押し付ければ、「んっ…」という色っぽい声が耳に入ってくる。
『…ふふ、京治かわいいね』
「…やめてください。黙らせますよ」
再び降ろされるキスは、さっきよりは少し強引で
それでもやっぱり優しくて、温かかった。
「…なんでですかね…どうしようもないんです、これ」
『え…?』
京治を見つめると、その瞳にはたしかに熱がこもっている。
(……あ…)
なにが?と聞く前に、京治が私に軽く身を任せてきた。
『…京治?』
「…俺、Aさんのことどうしようもなく好きで
アンタを見てると、色々と…抑えられなくなる」
蕩けるほど甘い声に、背筋が震える。
『…抑えなくていいよ』
不意に出たこの言葉が、
彼の心に火をつけてしまったらしく
「…無理させないって決めてたのに」
__深夜、ベッドの上
再び重なる影に、私はゆっくりと目を閉じた。
1033人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みーこ(プロフ) - 何回読み返してもキュンです!!! (4月6日 12時) (レス) id: c244322177 (このIDを非表示/違反報告)
のんのん - やっぱリエーフ最高すぎてぇぇえええ!!! (2019年12月17日 22時) (レス) id: 11b994394c (このIDを非表示/違反報告)
モンブラン♪@アップルパイも捨てがたい(プロフ) - きゃー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!赤葦さん!!! (2019年10月25日 22時) (レス) id: 4e49721770 (このIDを非表示/違反報告)
ぷらむ(プロフ) - めちゃめちゃ好きです.....もしよろしければ北信介さんお願いできますでしょうか.....よろしくお願いします!応援しています! (2019年10月20日 18時) (レス) id: 3c9e77bd00 (このIDを非表示/違反報告)
おしるこぉ - アッ好き…文才がカンストしとる……最高です、更新頑張ってください!!あとリエーフが読めなかった← (2019年10月8日 16時) (レス) id: 3d9d1f1805 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:は お | 作成日時:2019年8月26日 0時