*及川徹 ー 蕩 ページ3
『徹、ッやめ、…や…!!』
「うるさいよ、ちょっと黙んな」
__まとめ上げられる腕、解かれるリボン。
目の前には、見たことない剣幕の徹。
" お前浮気してたんだね。気づかなかった俺が馬鹿みたい "
その一言から始まったこれは、私のおかした失態が招いたもの。
徹と付き合っている上で、最近どこかマンネリ化を感じていた。
刺激を求めてたどり着いた果ては、他の男子とそれっぽいことをしてみること。
よくない認識はあってもなかなかやめられなくて、ずるずると関係を引きずっていたところ、呆気なく徹にばれてしまったという始末。
『ッあ、や…っ』
「嫌?そうだね、無理やりされるのは怖いだろうね」
そう言いながらも徹は手を止めず、私のブラウスのボタンに手をかける。
(…あ、やばい、)
そう思った時には遅く、
徹は私の胸元を見つめて低く呟いた。
「…こんな下着持ってたっけ?」
(…いいや、諦めよう)
頭の中にそんな言葉がよぎる。
無駄に反抗したって、さらに噛みつかれるだけ。
そう自己完結をして口を噤んでいれば、
「…ああ」
徹は何かを察したように口角を上げた。
「アイツのために新調したの?それとも買ってもらったのかな」
後者は図星。
この状況で「やっぱり徹って鋭いね」なんて褒め言葉を考えつく自分を褒めてあげたいくらい。
「まぁいいや
脱がせば結局同じだもんね」
熱のない声色、言葉。
冷たいのに、喉に噛み付いた唇は熱い。
「ねぇA、お前は誰の彼女なの?言ってみな?」
『……徹の』
「そうだね。じゃあお前にとってあの男はなに?」
胸を這う徹の指が、これから起こることを予感させる。
(…私にとってのあの人……)
「彼氏は俺で、相当デリカシーない奴じゃない限りただの男友達が下着なんかプレゼントしてこないよね。じゃあアイツはお前の友達じゃないでしょ?
友達でも彼氏でもない人間って、Aにとって必要ある?」
追い討ちをかけるような徹の言葉。
(…なんか、訳わかんなくなってきた)
その質問に答える気はなくて、
ただ今の気持ちを伝えるために、徹の身体に手を伸ばす。
徹はそれを拒否はせず、ただ黙って受け入れてくれた。
「…答えないの、A」
『はやく触ってよ、徹』
これが私の素直な気持ち。
「……色目使えば簡単に男捕まえられるんだもん
女の子は楽しいよね」
吐き捨てられた言葉の意味を理解する余裕は
今の私にはもうなくて
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ん?……君は誰だね!?(プロフ) - 夢主ちゃんのくずっぷりが、、、 (2020年6月20日 18時) (レス) id: c7581e2406 (このIDを非表示/違反報告)
Rena(プロフ) - 白布くんと影山に捨てられたくなるような小説でした。応援してます (2020年5月2日 1時) (レス) id: cec64ef57b (このIDを非表示/違反報告)
白並あんず - リクエストで瀬見さんやってもらいたいです…白布と影山は精神えぐられました…及川さんの話がお気に入りだったりしますw (2019年9月29日 0時) (レス) id: 110026f8f9 (このIDを非表示/違反報告)
まりも。 - リクエストで茂庭さんお願い出来ますか…? (2019年8月27日 14時) (レス) id: 6023cd4d77 (このIDを非表示/違反報告)
名無しのティッシュ - リクエストお願いします!研磨とあかーしって大丈夫ですか…?よろしければお願いします。あと、応援してます!更新ファイトです(^-^ゞ (2019年8月27日 5時) (レス) id: 9aa7f700a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:は お | 作成日時:2019年8月24日 10時